2011年5月7日土曜日
ネギ苗定植
木曜日(5月5日)は夏井川渓谷の無量庵で過ごした。肌寒い曇天下、ジャンパーを着て「三春ネギ」の苗を定植した=写真。
溝を切る。苗床にスコップを入れ、ボールペン大に育った苗をばらして、針金のような未熟苗を取り除く。太い苗を中心に、溝に植え並べる。これだけで半日かかった。
「3・11」の津波による原発事故で、9日間ほど息子一家と一緒に避難した。避難所で、在来作物である「三春ネギ」の栽培をどうするか、思い悩んだ。
原発事故が深刻度を増せば、家に戻っても「屋内退避」になるかもしれない。そんな事態になると、土が、苗が放射性物質に汚染されてしまう。しかし、種を絶やしたらそれまでだ。永遠に「次」がない。どんな厳しい状況になろうと、苗を植え、種を採ることに決めた。「原発に負けねどー」である。
今シーズンは、苗床の管理が割合うまくいった。種の「ばらまき」を「すじまき」に切り替え、間引きを怠らなかった。追肥も定期的に行った。厳冬期には葉先が黄色く枯れ、雪に埋もれていた苗も、春になるとグングン成長した。4月後半には、太さがボーペン大、丈が40センチにもなった。
溪谷の県道は「通行止め」になっている。が、地元の住民は自己責任で往来している。私もそれにならって、無量庵へは自己責任で直行した。
6日に応急工事が始まり、本当の通行止めになった。迂回路があるから行けないわけではない。が、一つの区切りとして、直行できる最後の5日の「こどもの日」を作業日に選んだ。
ひとまず来年の種を採取・保存するための作業は終わった。去年植えたネギはネギ坊主を形成しつつある。5月の終わりごろには今年の種を採取・保存できるだろう。
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