頭髪が薄いので、こまめに床屋へ行く習慣はない。後頭部の髪の毛が首筋を覆うようになったところで、そろそろカットしてもらうか、となる。
先日、近所の床屋へ行くと、入り口のドアに閉店を知らせる紙が張ってあった。店内は暗い。系列の店が少し離れたところにある。そちらへスタッフは移ったという。
行きつけの店ではあるが、前に散髪をしてもらったのは秋だった。もう4カ月以上前だ。あとで聞いたら、2月で店じまいをした。
張り紙には、系列店は「完全予約システム」とあった。歯科医院と同じように、床屋も予約制になった? にわかには信じられないシステムだ。
床屋へはいつも思い立って出かける。私自身、阿武隈の山里の床屋のせがれなので、客がいれば終わるのを待つ、いなければすぐやってもらう、というのがマチの床屋の流儀だと思っていた。
家に戻って、ネットで近在の床屋を探す=写真。わが家は国道と旧道の間にある。旧道沿いに数店、平の街にはけっこうな数の店がある。
さらに絞り込んで検索すると、予約制の床屋が増えているようだ。ある店に電話をしたら、「今日は予約が入っているので」という。やっぱり。
しかたない。張り紙にあった店に連絡する。「午後3時15分なら」というので、予約して出かけた。
たまたま同じ日、私も親しくしているカミサンの若い友人が来た。床屋から空振りで戻った直後だったので、そのことをぐちると――。
今は予約制が当たり前、予約がない日は別の店でアルバイトをしている、という話になった。
予約とバイトがどこまで進んでいるかはわからない。が、理容業界もすっかり様変わりしたものだ。
私は就職したあと、散髪は主に盆と正月、里帰りをして兄にやってもらった。会社をやめて区内会の役員になってからは、近所の床屋を利用するようになった。区の仕事を通じて女性店主と知り合ったからだ。
女性店主が亡くなると、今度は近くに開店した店へ通うようになった。店主とは旧知の間柄だったので、すんなり溶け込むことができた。
旧道沿いには昔ながらの個人商店が点在している。今はそれが、数えるほどしかない。
もう何十年も前のこと。近所に大きなスーパーができると、ほどなく地元のスーパーが姿を消した。
やがて医院や魚屋が廃業し、銀行・農協・信用組合などの支店も統廃合でなくなり、今度また床屋がひとつ姿を消した。
個人商店の廃業は、店主が高齢になり、後継者がいないのが大きい。わが家も、店としては開いているが、カミサンの実家(米屋)に連動して米の販売・配達をやめた。近所の歯科医院も、同じ理由で閉院した。超高齢社会の、これが寂しい現実ではある。
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