天皇・皇后両陛下がきのう(10月13日)、阿武隈高地の川内村を訪問された。東北新幹線で郡山駅に着いたあとは、車で国道288号=写真=を東進し、田村市都路町から国道399号に折れて川内村へ入られた。
東日本大震災に伴う福島第一原発の事故を受けて「全村避難」を強いられたが、今年に入って村長が「帰村宣言」をし、4月に役場機能が村に戻った。村民が帰村するための除染作業が行われている。仮設住宅も建てられた。その視察と激励が目的だ。
私はすっかりいわきの人間になったが、生まれも育ちも川内村の隣、同じ阿武隈高地の田村市常葉町だ。阿武隈をふるさととする人間として、両陛下の来訪が、川内村民のみならず両国道沿いに住むわが身内を、親戚を、知人・友人を元気づけた――と容易に想像できる。
両陛下が利用されたルートは、いわきから川内経由で田村市常葉町の実家へ帰るときのルートでもある。常葉町の先、船引、三春、郡山へと続く道も、子どものころ、バスで行き来したのでなじみがある。
3・11後、「ニーパーパー」(国道288号)は原発事故の避難ルートになり、記者たちの取材ルートになった。8月に帰ったときには、警視庁から派遣されているパトカーとすれ違った。そして今度は、両陛下がそのルートを往復された。
住民は沿道のあちこちで、小旗を振りながら両陛下の車が通られるのを見守ったことだろう。けさの福島民報によれば、両陛下は行きと帰り、田村市常葉行政局(旧常葉町役場)で休憩された。わがふるさとで休まれた、通過しただけではなかったのだと、胸のなかでもう一人の自分がつぶやいていた。
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