おととい(10月5日)、いわき市生涯学習プラザでヒューマンカレッジ(市民大学)いわき学部の講座が開かれた。「大正101年 暮鳥圏の人々――一粒の種子が芽生えるとき」と題して話した。休憩時間に旧知のMさん(内郷)から「小白井(おじろい)きゅうり」を2本いただいた=写真。
「小白井きゅうり」はいわき市の北部、川前町小白井地区で栽培されている自家採種の昔野菜(伝統野菜)だ。見た目はずんぐりむっくり。でも、『いわき昔野菜図譜』(2011年3月、いわき市発行)によると、肉質はシャキシャキとして歯切れがよく、香りが高い。漬物やサラダの生食のほか、皮をむいて種を取り、炒め物やみそ汁の具に加熱して食する。
今年1月末、中央台公民館で2回目の「いわき昔野菜フェスティバル」が開かれた。去年の初回は「味わってください」、今年は「種をさしあげます」がポイントだったろうか。いわきの昔野菜の種をもらって帰る人がいっぱいいた。
Mさんのブログによれば、Mさんは友人が育てた「昔きゅうり」(いわき市三和町上三坂)と「小白井きゅうり」の苗を3本もらって栽培した。友人が昔野菜フェスに参加したのだろう。
そういえば、辛み大根の種をくれた知人も、この夏は「小白井きゅうり」に元気をもらいましたと、手紙に書いていた。やはり、昔野菜フェスで種をもらったのだった。
思いもよらない大震災・原発事故を経験しからこそだろうか、一粒の種が芽生え、育ち、実るのを見るのはうれしいものだ。ちっぽけな動きが希望につながる。「メソメソしてはいられません」「被災者の私でさえ百姓をしているのに、畑を荒らしてはダメだっぺ」としかられた。詩も、野菜も、一粒の種から、だな。
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