わが家の炊飯器が壊れた=写真。内蓋が外蓋からパカッとはがれた。国内メーカーの製品だが、2002年にマレーシアでつくられたものだとカミサンがいう。ご飯をどうする?となったが、どこからか新しい炊飯器が出てきた。別の国内メーカーの製品だ。
日々、なにごともなく過ぎていくかぎりでは、家電は家電でしかない。電気ごたつは中を温める。電灯は部屋を明るくする。炊飯器はご飯を炊く。3・11を経験する前まではそうだった。「でしかないもの」が3・11後、「大事なもの」「必要なもの」になった。
3・11で断水した。電気はかろうじて通じていた。津波に襲われたハマ(沿岸部)に比べたら、少し内陸に入ったマチ(平野部)は、それこそハマの人には申し訳ないが、地震の被害だけで済んだ。が、そのあとに原発事故のパニックがきた。モノがさっぱり手に入らなくなった
カミサンが近くのコンビニへ出かけた。食料品や飲料水は品切れ。氷袋が残っていたので、それを買ってきて解凍し、水にした。
とにかく洗い物を少なくする。茶碗にラップをしてご飯を盛る。おかずも同じ、ラップをした上に盛る。ラップのおかげで茶碗も、皿も洗う必要はない。苦肉の策がクチコミで一気に広まった。
そのころを支えてくれた炊飯器だ。ただの家電ではない。戦友とはいわないまでも、よく機能してくれたな、とは思う。
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