2013年7月12日金曜日

キノコに降りかかった原発災害

いわきキノコ同好会の会報第18号=写真=が届いた。冨田武子会長が「キノコに降りかかった原発災害Ⅱ」を書いている。栽培・天然両方のキノコについて、いわき市とNPO法人が測定した放射線量結果(平成23年4月1日から12月31日までの680件)を一覧表にし、考察している。

最大値はシイタケ1万6190ベクレル(キログラムあたり=四倉)。次いで、クサウラベニタケ7660ベクレル(三和)、チチタケ7180ベクレル(三和)など、1000ベクレルを超えたキノコは40件余。最高級菌のコウタケは最大2061ベクレル(川前)だが、ゆでたものはゼロか3.6ベクレルと低い数値にとどまっている。

冨田さんは一覧表からみてとれることとして、①同一地域内の産物でも放射能値に差がある。同様に、同種であっても値が極端に異なるものがある②食材であるキノコをゆでて水洗いしてから測定すると放射能は激減する。ただし、風味は失われる③傾向として原発に近い方の場所や山間部のキノコは放射能値が高い傾向がみられる――などを挙げている。

前から頭に引っかかっていたことがある。クサウラベニタケだ。毒キノコをなぜわざわざ測定したのだろう。食菌のウラベニホテイシメジなら話はわかる。そもそもウラベニホテイシメジと誤認して、クサウラベニタケを食べて中毒事故を起こすくらいだから、両者は似ている。ただ、ウラベニホテイシメジからはこんなに高い数値は出ていない。

会報には、広井勝郡山女子大教授が「野生きのこ、落ち葉の放射性セシウム濃度の動向」と題して、特別寄稿をしている。針葉樹の落ち葉の放射性セシウム濃度は落葉広葉樹などに比べて10倍程度高い、1年後に同一場所で採取したキノコで非常に数値の高いものがあった、その反対もある、といった分析結果を紹介している。

広井さんはいう。2012年度は「2011年度に採取した落ち葉と比較すると、針葉樹、広葉樹とも放射性セシウム濃度はほぼ半減していた」。しかし「針葉樹の葉はいまだ放射性物質の濃度が高く、森林の空中放射線量に大きく影響を及ぼしている」。敵がだれでどこにいるか、再確認をしないといけない。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

キノコ雲がキノコに影響?

汚染地下水も今後どうなることか?
除染した汚水が用水路に流れたとか?

汚染したら除染したらいいと開き直るし、中間貯蔵施設を双葉郡に作って、持ち込んだ汚染物質は原発沖に作った人工島に運び研究等も含め廃炉につなげていくとか?

水も土も空気もうつくしい福島は帰ってこない!