近鉄奈良駅からアーケード街を抜けると、間もなく猿沢池=写真=に出る。家並みが途切れたとたん、「シャ、シャ、シャ、シャ、……」という大きな音が道沿いの木々から降ってきた。生まれて初めて聞くクマゼミの鳴き声だった。
京都の清水寺では今年初めて、ニイニイゼミの声を聞いた。奈良でもニイニイゼミは鳴いていた。奈良のニイニイゼミの方が、元気がよかった。
定期観光バスで京都の町を巡り、特急電車で奈良へ向かう途中、キョウチクトウとサルスベリの花を見た。いわきでは8月の花だ。やはり西日本は東日本より暑く、夏も早い。
いわきへ帰ってきたとたん、あまりに肌寒いので驚いた。きのう(7月19日)、いわき駅前再開発ビル「ラトブ」6階で始まった新谷窯展(22日まで)をのぞくと、ヤマユリの花が飾ってあった。いわきでは梅雨明けとヤマユリの開花が重なる。週後半になってようやく暑さが戻ってきた。夏も近いということだろう。
そういえば、きのうは小・中学校の終業式だった。朝、家の前を子どもたちがはしゃぎながら登校していった。昼前にはもっとはしゃぎながら帰ってきた。
ふだんはまだ眠いのか、授業が控えているせいなのか、黙々と登校するだけ。下校時になるとこれが一転し、低学年生が大声を上げながら通り過ぎる。その時間はきまって午後2時50分前後だ。わが家の前を子どもたちが通り過ぎるころ、東日本大震災が発生した。それで、子どもたちの声が聞こえると3時が近いことを知る。
ヤマユリは、いわきでは夏休みの始まりを告げる花でもあった。
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