きのう(7月28日)、小川の草野心平記念文学館へ行ったら、親子連れでごったがえしていた。庭園ではフリーマーケット=写真、館内では「木の枝クラフトワークショップ」「ふたつや文学ロック」が行われていた。
新しい企画展が始まるたびに文学館を訪ねる。今回は7月6日に「みんなだいすきアンパンマン やなせたかしの世界展」がスタートした。9月8日まで。草野心平生誕110周年・同館開館15周年記念だという。
東日本大震災がおきた直後の日曜日(3月13日)、ラジオ福島は午前10時の時報のあと、「アンパンマンのマーチ」を流した。この選曲に、娯楽を突然奪われた子どもの親たちから多くの感謝の言葉が寄せられた(『ラジオ福島の300日』=2012年毎日新聞社刊)。アンパンマンは勇気の象徴でもある。
その生みの親のやなせたかしさんは、詩人としても名高い。「手のひらを太陽に」は代表作だろう。
2009年に出した『たそがれ詩集』のなかの「晩年」にも引かれる。朱子の「偶成」(少年老い易く学成り難し……)の最初の行をもじっている。<老年ボケやすく/学ほとんど成らず/トンチンカンな人生/終幕の未来も/なんだかヤバイ/それでも笑って/ま、いいとするか>
常磐に野口雨情記念湯本温泉童謡館がある。月に1回、童謡詩人について調べたことを話す機会があった。初代館長の故里見庫男さんから宿題を課されて取り組んだ。やなせたかしさんについても話した。『たそがれ詩集』が出版された直後で、「晩年」も紹介した。聴き手は、ご同輩ばかり数人だったが。
フリマとロックについても記しておこう。フリマでは、いわき地域学會の若い仲間が店を出していた。ロックには、川内と勿来の知人が出演した。
文学館は丘の上にある。地元の消防団員が駐車場の誘導にあたっていた。駐車場はほぼ満パイだった。そんなことは文学館始まって以来ではないか。「いえ、先日はもっとにぎやかでした」と学芸員の女史。もう一人の学芸員クンも親子連れの応対に忙しそうだった。
庭園では元副館長とも会った。地元をまきこんだイベントから何かが生まれる、次の何かにつながる――ということで意見が一致した。
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