2013年7月8日月曜日

農家レストラン

時折、山里の農家レストランや直売所を巡る。きのう(7月7日)は農家のおばさんたちが運営している、いわき市三和町上三坂の「ぷろばんす亭」=写真=へ足を運んだ。夏井川渓谷の埴生の宿(無量庵=いわき市小川町上小川)からは車でざっと30分圏内だ。

日曜日はたいてい、無量庵で土いじりをしたあと、さてどこへ行くか、となる。3・11前は、同じ溪谷にある直売所「山の食。川前屋」(いわき市川前町)へ直行した。夏井川をさかのぼれば田村郡小野町、対岸の山を越えれば三和町。これまでに訪ねた直売所、農家レストランは両地区だけで7カ所に及ぶ。

「ぷろばんす亭」は土・日・祝日の昼(午前11時~午後3時)だけ営業し、自家野菜を主体にした料理をバイキング形式で提供する。バイキング料理プラスそば、同ハンバーグもあるが、バイキングとごはん、味噌汁だけにした。味噌汁の味がよかった。これも自家製だろう。要は、田舎の家庭料理、おふくろの味だ。

帰りは国道49号沿いの直売所「三和町ふれあい市場」へ寄る。糠漬け用にキュウリ、ほかに梅干しなどを買った。

直売所や農家レストランは3・11後、苦戦を強いられてきた。いわき市の農林水産業復興応援ポータルサイト「うまいべ!いわき」をのぞくと、運営者の苦闘・奮戦ぶりがわかる。「三和町ふれあい市場」は、風評被害より高速道の無料化が響いたという。目の前の国道49号を往来する車が減っては商売にならない。今は客足が戻ってきただろうか。

「山の食。川前屋」は、ポータルサイトには載っていない。きのう、その前を通ったら建物がなくなっていた。3・11後、夏井川溪谷を往来する車が激減した。「通るのは川内村へ除染に行く車だけ」という状態で、長らくシャッターが下りたままになっていた。ついにギブアップをしたか、という思いを禁じ得ない。

原因ははっきりしている。夏井川渓谷は、アカヤシオの花が咲く春と紅葉が燃え上がる秋に、行楽客でごった返していた。関係者の胸中にあるのは「原発事故さえなければ」という怒り・悲しみだろう。

2 件のコメント:

issay matsu さんのコメント...

一番大事な空気と土と水が汚されてこうして
毎日食べるために生きてる人は、それぞれが
大変な日々ですね。少しでも前に・・・

匿名 さんのコメント...

以前、行った際新鮮な野菜をたくさん買い込んで帰った思い出があります。

残雪時に行ったときは閉まっていたので、てっきり店じまいかと残念な気持ちでした。

再開ほんとによかったですね!

なにもかも汚して踏みにじって信頼がなくなって、福島がこの先自立していけるのを願うばかりです。