心身に障がいを抱えながら表現活動に励んでいる「はなのころ」のメンバーと、それを支援する作家のチャリティー作品展が12月6日から14日まで開かれた。
会場はいわきニュータウンの一角、住宅を転用した「アートサロンいわき」で、主催者のNPO法人はなのころの西山将弘理事長から、作者(メンバー)と作品の説明を受けた。
はなのころは今年(2025年)4月、平・三倉に交流ギャラリースペース「はなのころBASE(ベース)」を開設した。
10月下旬だったか、カミサンのアッシー君を務めながら、通称「はなベー」へ出かけた。
西山理事長とは縁があって前から知っている。いろいろ説明を聞く中で、興味を引くものがあった。
絵はがきとブローチで、「混乱」というタイトルが付いていた=写真上1。作者は「碧(あおい)」さん。
解説資料に「エネルギッシュなモチーフや和の作品、落ち着いた風景画など、何でも自由に描いて、自分のスタイルを追求している」とあった。
技法的にはデジタルイラストと呼ぶらしい。太い線を駆使した画面から、アメリカの現代美術家、キース・ヘリングに通じるものを感じた。
へリングの作品を見たときには驚いた。これも美術なんだ! 軽やかなタッチと解放感。現代美術の表現の多様さを知った。
碧さんの「混乱」にも同じような自由さを感じた。こりかたまったこちらの感性が解き放たれる。コミュニケーション(わかる・わからない)ではなく、共振・共感のバイブレーションが起きる。絵はがきとブローチを買った。
新聞の折り込みに「お悔み情報」(主にA4判・片面コピー)がある。私はこれを取っておき、真っ白の裏面をメモ用紙として使っている。
震災前からの習慣で、「規格」が同じだから「カード式」の日記になる。現にそうして、15年以上書き続けてきたので、けっこうな分量になっている。
一日の主な出来事や植物・動物・菌類のこと、本を読んだ感想、その他もろもろ、なんでも書き付けておく。それをヒントにキーワードを探し、ブログの構成を考える。
はなのころの小野広美さんは、このお悔やみ情報の真っ白な裏面を画用紙に見立てて作品をつくる=写真上2。
はなのころの会報誌によると、小野さんは「記憶している文字を即興で書く」のが得意だとか。それに季節の果物や生き物、花火などのイラストを添える。文字は漢字が多い。
ここでもバイブレーションが働いた。私と同じ素材を使っている。私はカード式の日記用紙として、小野さんは画用紙として。方法こそ異なるものの、表現に利用しようという思いは同じ。それを知ってうれしくなった。
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