2015年5月8日金曜日

5月の田植え

 こんな天の配剤もあるのかと、大型連休が終わってつくづく思う。ちょっと強い風が吹いたときがあったり、曇ったりしたときがあったものの、おおむね晴天続きだった。
「五風十雨」は5日に一度風が吹き、10日に一度雨が降る――当たり前のこと、つまりは平穏無事のことをいう。その、5日に一度の風はあっても、10日に一度の雨はまだない。おかげで、この大型連休をたっぷり楽しんだ、という人が多かったことだろう。

 毎日が日曜日、いや月曜日でもある身には、サラリーマンと違って大型連休といっても骨休めができたのは5月3日の日曜日だけ。世間は大型連休でも、わが家はいつもの週と変わらなかった。

 4月25日、いわき地域学會総会。同27日、いわき民報ふるさと出版文化賞授賞式。同28日、来客。同29日、いわき駅裏の「磐城平城本丸跡地」探訪。5月3日、山里巡り。同4日、立鉾鹿島神社祭礼。同6日、地域学會市民講座案内その他の発送作業。そしてきのう(5月7日)、午前は行政区内の危険個所検分、午後は街へ人に会いに。

 合間に新しく糠床をつくり、ガソリンスタンドでスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えた。大型連休は頭のなかから冬を一掃する節目のときだ。休みが終わったら夏の準備ができていないといけない。今年は二日酔いで棒に振る日もなく、予定していたことはだいたい消化できた。

 田園の風景も大型連休をはさんでガラリと変わった。わが家の近くの水田地帯は「神谷(かべや)耕土」と呼ばれる。早々と競うようにして田植えをする=写真。そこに住む後輩に、立鉾鹿島神社の祭礼に合わせて田植えをするのかと聞けば、下流の地区からせっつかれるからではないかという。いずれにしても、神谷地区の田植えは早い。

 3日の日曜日、夏井川上流の小川、川前地区を通り、山を越えて異なる流域(木戸川)の川内村を巡った。ホットスポットの荻(川前)の田んぼは、草が刈られているからこそ田んぼの面影をとどめているものの、田植えが行われるような気配はなかった。

 水田に水が張られ、稲苗が植えつけられると、枯れ田が青田に変わる。人の心も潤ってくる。相双地区を含めて、それがかなわない田んぼがある、という3・11後の現実。「悲しいね」と米屋を営む同乗者がつぶやいた。

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