2018年5月2日水曜日

国道399号を行く・上

 田村市常葉町の実家へ行くのに、阿武隈高地を縦断する国道399号を利用した。
 この4月1日から常磐バイパスが新・国道6号になり、今まで国道6号だったところが県管轄の道路に替わった。わが生活圏(中神谷地区)でいうと、バイパス終点から平寄りの同6号が、いわき市から山形県南陽市に至る阿武隈高地縦断ルートの国道399号に替わった。起点が十五町目交差点から移ったのだ。

 国道399号はいわき市(平、小川町)、双葉郡川内村を通って田村市都路町で国道288号と重なり、さらに同郡葛尾村へと抜ける。

 震災前、いわき市と相双地区の沿線自治体は共同で同国道を「あぶくまロマンチック街道」として売り出した。豊かで美しい里山、澄んだ空気、清らかな水、日本の原風景ともいえる景観、さまざまな農産物、伝統文化、生活文化を体感できるという点では、まさに「ロマンチック街道」だった。
 
 ところが2011年3月、東日本大震災に伴う原発事故で、「東洋のスイス」(作家の故田中澄江さん)とも評される阿武隈の山里が汚染された。
 
 それから7年。集落は除染され、峠あり、カーブあり、隘路ありの道が“大改造”されつつある。その様子をこの目で確かめたくて、5月2日、起点の神谷から車を走らせた。
 
 あちこちで工事が行われていた。「国道399号ふくしま復興再生道路」=写真、あるいは「国道399号十文字トンネル工事」といった看板が立っている。十文字トンネルは全長2875メートルで、500メートルを掘削した、とある。
 
 十文字は標高700メートルほどの分水嶺、そして川内村、広野町、いわき市川前町へと道が十字に分かれるところでもある。内倉湿原のわきを通って駆け上がり(これがくねくねして長い、それを解消するためのトンネル工事だ)、てっぺんの十文字から下ると、戸渡(とわだ)だ。小川小の旧戸渡分校がある。そこへ寄った。その話は、また。

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