畳半分くらいの苗床をつくって種を筋まきにしたのが、昨年(2017年)10月8日。芽生えは順調だったが、モグラが地面を盛り上げたり、覆土が十分でなかったりして、根づいたのは5分の1くらいだった。間引きをする手間が省けたものの、歩留まりとしては最悪に近い。
厳冬に耐えた苗は春になるとグングン生長する。4月後半には、太さがボールペン大、丈が40センチにもなった。例年、ゴールデンウイークの後半に定植するが、今年は育ち具合を見て半月ほど遅らせた。
苗床にスコップを入れて苗をばらす。太いのは人間の小指大まで生長していた。しかし、未熟苗も多い。定植した苗の本数を数えたら80本ほどだった。例年の半分以下だ。
未熟苗は捨てるしかない。が、ここ2、3年は家に持ち帰り、“芽ネギ”として食べている。
まずは汁の実に。次は卵焼き。納豆にもまぜる。香りも味も薄い。それでも、「自分で育てた」ので、食べきるという思いが強い。汚れを落とし、枯れたところを切って(さらにはひげ根をカットし、刻むところまでやって)、カミサンにあずける。
原発事故が起きたときには、家庭菜園を断念しないといけないのか、と悩み、怒ったものだ。種を絶やしたらそれまで。永遠に「次」がない。なにがなんでも三春ネギの種だけは残す、と決めた。
採種から次の採種までは足かけ3年がかり。種を冷蔵庫で保存し、秋にまき、越冬して生長した初夏に定植し、採種用に残したもの以外は秋・冬に収穫する。このサイクルが守られている限り、種は大丈夫。
しかし、ここにきて、「新品種は自家採種ができない」とかなんとか、「種子法」廃止の影響がいろいろ言われるようになった。勉強せねば――。
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