2011年2月25日金曜日
どろんこハクチョウ
またまたハクチョウの話で恐縮です。
わが家から夏井川渓谷の無量庵へは、途中まで阿武隈高地の先端、丘に沿って流れる小川江筋を視野におさめながら車を走らせる。要は田園地帯のど真ん中。水の流れをさかのぼる形になる。
その逆。帰り道。川の水になったつもりで風景を見る。夏井川溪谷を過ぎると豁然と視界が開ける。小川の片石田から太平洋へと一気に扇状地が広がる。平は開いた扇の先端部三分の二くらいを占めるだろうか。
小川江筋が丘のふもとを縫って流れるのは、片石田の下流・三島から。扇状地の真ん中あたり、場所としては平中平窪、平四小の裏側だ。
一部、田んぼに水が張ってある。「冬水田んぼ」だ。そこに朝、無量庵へ行く途中、ハクチョウが飛んで来た。無量庵からの帰り、午後2時過ぎに通ったら、ハクチョウたちがピチャピチャ泥水にくちばしを突っ込んでえさをあさっていた。
水田の間を貫く農道だ。ハクチョウは農道のすぐそばにいる。車の窓を開けてカメラのレンズを最大にする。口のまわり、胸のあたりをどろんこにしているコハクチョウを撮った=写真。顔だけを狙った写真も撮れた。
ハクチョウの写真を撮り始めて何年になるだろう。パソコンに取り込んだものだけで3年分、今年の分を加えると4年だ。それ以前にプリントしたものもある。平山崎の「ハクチョウおじさん」ことMさんを、平塩~中神谷で撮り続けてきたから、十年は過ぎたかもしれない。
アマチュアであっても通い続ければ、いろんな写真が撮れる。雪の日、雨の日、霧の日、晴れの日。朝、昼、夕方。着水、離水、はばたき、群飛。けがをして居残ったハクチョウの孤独な四季。ただし整理が下手なので、以前の写真がどこにあるかわからない。それらがそろえば写真集だって出せるかもしれない。と言えるくらいに写真は撮った。
ともあれ、ハクチョウは写真のウデを鍛えてくれる被写体には違いない。
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