2011年2月17日木曜日

オナガ


オナガ(尾長)はカラスの仲間だ。昔は、いわきにはいなかった。関東から移動してきた。私が初めて目撃したのは1990 年代だったように記憶する。黒い頭、淡い灰褐色の背中、青灰色の翼と尾。この尾が長いので、オナガ。色の組み合わせがいい。しゃれている。

いつも同じところにいる、という鳥ではないようだ。いわき駅裏の物見ケ岡、夏井川渓谷、新舞子の海岸林、夏井川下流の河畔林と、さまざまな場所で見かけるのだが、それはたとえば3カ月ぶり、半年ぶり、そんなサイクルでのこと。一度現れると、しばらくそこでは見られない。

散歩コースの夏井川では、このごろ短い間隔で現れる。現れれば写真をと、狙ってはいるものの、夕方で光が足りずにぶれたり、ぼけたりして満足のいく写真が撮れなかった。そのオナガをやっと撮った=写真。撮ったといっても相当離れているから、オナガのいる風景写真でしかない。

いつものように夏井川の堤防を歩いていると、「ギューイ、ギューイ」とやや濁った鳴き声が前方上空から降ってきた。オナガの少群だった。河川敷を覆う枯れヨシ原に舞い降りると、若木の枝に止まった。そこを望遠でパチリとやった。心が少し躍った。

オナガを写真にと思い定めて10年、いや15年はたつ。遭遇するのは年に2~3回。たいてい不意に現れるから、失敗、失敗、失敗……。ようやくオナガの写真に向かって第一歩を踏み出した、といったところだろうか。

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