2026年3月12日木曜日

猫は「寝子」?

                               
   シロ(白猫)が死んでいなくなったら、ゴン(キジトラ)が元の寝床に戻った。寝床はわらでできた「えじこ」(人間の乳幼児を座らせておくわら製の保育用具)である。シロに横取りされるまでは、ゴンの寝床だった。

シロはゴンより体が大きかった。年も上のようだった。人間にはとりすまし、猫仲間には容赦がなかった。

カミサンが「えじこ」より低いところにシロ用の寝床をつくったが、自分より高いところにいるのが気に食わなかったのだろう。いつの間にかシロが「えじこ」に入り、ゴンが下の寝床で丸まっているようになった。

シロがいなくなったことは、ゴンもすぐにわかったらしい。日々のストレスから解放されたのか、日中は「えじこ」で丸まっている。

ところが――。日が暮れて茶の間のカーテンを閉めるころには、「えじこ」がからっぽになっている。朝6時半ごろにはいたり、いなかったり。

飼い猫と違って、地域猫は野良も含めて夜行性らしい。昼は寝ている。つまり、ゴンはシロがいなくなったからせいせいして昼寝をしているのではなく、習性として昼寝をしているのだ。カミサンは「猫は『寝子(ねこ)だから』という。

猫の語源は「寝子」? 初耳なので、ネットで探ると、それらしいものが現れた。日中寝ている猫を見て、いつからか「寝子」と呼ぶようになった、それが猫といわれる始まりという説もある。ただし、断定はしていない。

1日の大半を寝て過ごすといっても、外敵に備えるために眠りは浅い。「「えじこ」に戻ったゴンを、窓越しに茶の間から撮影しようとしたら、気配を察したのか、頭をもたげてまっすぐこちらを見た=写真。なるほど、「寝子」だが眠りは浅い。

ついでに夜行性うんぬんの話もチェックした。すると、猫は夜行性のように思われがちだが、実際は「薄明薄暮性」だという。これまた初めて見る言葉だ。

明け方と夕暮れ時に活発に動き回って狩りをする。そういう時間帯にモノがよく見える目をしているのだそうだ。ネズミも夕暮れ時に動き出す。狩りをするにはうってつけの小動物というわけか。

猫は猫でも、生きる環境によって暮らしの質がだいぶ違うようだ。人間に依存しても本能を忘れてしまったわけではない。半野良の地域猫は、日中は寝て体力を温存し、夕暮れからの徘徊(はいかい)に備える。

人間からえさをもらうことに慣れたゴンは、人間が起き出した未明にはもう玄関の前にやってきて、鳴いてえさをさいそくする。

まだ暗いうちからえさをやるようなことはしない。そして、カーテンを開ける朝と、閉める晩、「えじこ」を見下ろすのが日課になった。今日も元気だ、「えじこ」がからっぽだ、である。

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