2014年8月11日月曜日

スーパームーン

 きのう(8月10日)はスーパームーンだったとか(あるいはきょうか)。満月の晩、素っ裸になって海で泳いだ――なんて昔話を、豊間で生まれ育った人間が東京でしたらしい。そのスーパームーンに合わせて、土曜日(8月9日)、いわきリピーター・3人が豊間の海へやって来た。

 台風11号の影響で曇雨天になり、月は見られなかった。が、海から上がる月を見るためだけの観光もありだな、と思った。たとえ実際の月は雲に隠れていても、地元の人たちと交流することで胸中に満月が輝いていたはずだ。

 東京組の1人がアボリジニの楽器「イダキ」(ディジュリドゥ)を携えてきた。2012年2月、翌13年11月に続いて、今回も演奏を披露した。2011年12月には、皆既月食の下、東京の住宅街で彼の演奏を聞いている。

 イダキは、シロアリが食い散らして中空になったユーカリの木の管楽器だという。唇の振動を管内に反響させ、独特の低音を発生させる。循環呼吸で絶え間なく演奏を続けるのがコツだそうだが、素人には難しい。それでも昔、学校で吹奏楽部に所属していたという人間が音出しに挑戦した=写真。初めてなのによく音の出る人もいた。
 
 満月が海から上がる。ほろ酔いの人間どもが浜に現れる。イダキの鎮魂の音が潮騒に共鳴する――そんな場面を想像するだけでも楽しい。影絵になる。
 
 そうそう、いわきの浜だけではなかった。いわきに程近い阿武隈の山中でも、12日まで「満月祭」が行われている。毎週、わが家に卵を宅配する人間が主宰している。台風一過のきのうは、まぼろしの月に吠える人間がたくさんいたのではないだろうか。

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