きのう(8月13日)は月遅れの盆の入り。午前10時をすぎると、近所から「じゃんがら念仏踊り」の鉦(かね)の音が聞こえてきた。チャンカ、チャンカ、チャンカ、チャンカ、……。音がなんとなく速くて軽い。
ワケはすぐわかった。「じゃんがら」は青年会単位で継承しているいわき地方独特の伝統芸能だ。毎年、月遅れ盆に新盆家庭を回って踊り、歌いながら故人の霊を慰める。近所に現れたのは女性のチームだった=写真。サポーター?のおばさんがチラシをくれた。チームの名前は「桜つつじ」。今年で結成10年目になるという。
15日まで「じゃんがらの日々」が始まった。昔、いわきにもデパートがあったころ、女性従業員によるじゃんがらチームが結成され、市民の耳目を集めた。ただし、イベントに出演しても新盆家庭を巡ったかどうか。今年、青年会と同じように「女性じゃんがら」が地域に現れたことに驚いた。
今年はもうひとつ、驚いたことがある。新盆家庭は盆に合わせて家の前に真新しい灯篭を立てる。日曜日(8月10日)に車で平の市街を通ったら、ある家の灯篭に「予約以外のじゃんがら念仏踊りお断りします」の紙が張ってあった。
新盆家庭では故人を供養するために、お盆を前に青年会にじゃんがら念仏踊りを予約する。当然、なにがしかのお礼をする。
ところが、予約以外の青年会がやって来ることがある。新盆家庭にとっては想定外の出費になる。で、はっきりと「予約以外お断り」の意思が表示された、というわけだ。
盆の入りの夕方、沿岸部から内陸部まで4軒の新盆家庭を回った。うち1軒で予約をしていない青年会のじゃんがらに遭遇した。当主がすぐ出て踊りを断った。
じゃんがらはいわき市民の魂と結びついた踊り念仏――にしても、青年会と新盆家庭との関係はより契約的なものに変わってきたらしい。
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