2014年8月12日火曜日

盆帰省

 アサガオの葉は、日中はコタッとしている=写真。人間も同じで、年寄りは暑い盛りには家で静かにしているのが一番。それもあって、その若者に会う時間を午後3時にした。

 若者は動き回っていた。月遅れ盆を実家で過ごすために京都から帰省すると、すぐ内郷の白水阿弥陀堂の池へカワセミの写真を撮りに行った。空振りだった。次は、新舞子海岸へ。夜は晴れていれば、水石山へ駆け上がり、ペルセウス座流星群の写真を撮るのだという。

 彼は日本野鳥の会いわき支部のジュニア会員だった(と記憶する)。同支部は毎年、平市街に近い里山・石森山で野鳥観察会を開いている。ふもとの新興住宅地に住む彼は、小学生のころから妹の手を引いて、歩いて探鳥会に参加していた。写真も撮るようになった。支部会報でそのことを知り、勤めていた新聞のコラムで取り上げたら、高校生の彼から連絡がきた。

 やがて、映像関係の勉強をしに京都へ行った。その最初の夏の終わりの夕方、夏井川の堤防でバッタリ会った。こちらは日課の散歩の途中、彼は夏休み帰省中で、自転車で新舞子海岸から帰宅途中だった。以来、会うのは6年ぶりだ。
 
 実はちょっと前、いわきの美術家吉田重信さんとのつながりで、フェイスブック上で彼と“再会”したばかりだった。一時東京で暮らしたが、今はまた京都に住む。美術家はときどき京都で個展を開く。その縁で、京都でいわきの人間がつながった、というわけだ。
 
 美術家が中心になって、8月23日から芸術祭「玄玄天」がいわき駅前の中心市街地で開かれる。若者も作品を出品する。いわきの海をテーマにした写真になるという。
 
 若者の名は吉田和誠(あきとも)。彼は商業カメラマンになっていた。京都造形芸術大学で教えてもいる。授業が主たる生活になっている。震災から3年5カ月のきのう(8月11日)、自分の道を着実に歩んでいる若者の話を聴いて、なんだか暑さにしおれてはいられない気になった。

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