2015年4月24日金曜日

海幸・山幸

 日曜日(4月19日)にタラボ(タラの芽)のてんぷらを食べた。
 午前中は夏井川渓谷の隠居へ出かけ、地元の「春日様」の祭りに参加した。帰宅してすぐ、いわき地域学會の総会資料づくりを始めた。事務局の3人がやって来た。終わって日が暮れ、みんなで少しのどを潤した。カミサンがタラボのてんぷらを出した。

 タラボは、産地が二つ。一つは夏井川渓谷。もう一つは、いわき市の隣町。

 渓谷のタラボは隠居の庭で摘んだ。地元のTさんからもらった苗木10本を植えたのが生長し、大震災のあった年に初めて採りごろを迎えた。アカヤシオ(イワツツジ)の花見客は現れなかったが、山菜採りは出没した。たちまち盗られてなくなった。今、7割方は芽を摘まれ続けて立ち枯れた。3・11から5年目の今年(2015年)、初めて家主が最初に摘んだ。

 いわきの隣町のタラボは、息子の嫁さんの実家からいただいた。「子どもには食べさせられないけど」。むろん、そのつもりで大人だけで食べた。

 次の日、また嫁さんの実家から宮城県産のカレイとマツモをいただいた。私の元同僚が栃木県産のタケノコを持ってきた。いわき市内に住む義妹からも、菜の花とコゴミ(クサソテツ)が届いた。カレイは煮つけ、タケノコも煮物、菜の花とコゴミはおひたしにした=写真。マツモはみそ汁だ。

 季節の楽しみが少しずつ戻ってきた。とはいえ、汚染が消えたわけではない。たまたまデータ上は「検出されず」か「基準値内」の海幸と山幸がわが家の食卓に並んだだけだ。

 何度も書いているが、野生キノコは春のアミガサタケから梅雨キノコ、夏キノコ、秋キノコ、冬のエノキタケまで、途切れなく採取ができる。それが禁じられたストレスを東電はどうしてくれる――春の味を楽しみながらも、どこか心の中に怒りがしこっているのを感じないではいられなかった。

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