夏井川渓谷の隠居(無量庵)で、きのう(4月11日)、アカヤシオ(イワツツジ)の花の宴が開かれた。いわきの街のソメイヨシノと渓谷のアカヤシオの花は、時を同じくして満開になる。天然の大キャンバスの真ん前に隠居がある。雨が降ろうが石が落ちようが(渓谷では常に落石がある)、家のなかから谷の斜面をピンクに染めた花が楽しめる=写真。
花の宴参加者は、国際NGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」が運営している交流スペース「ぶらっと」の元・現スタッフだ。シャプラは3・11後、いわき市で被災者・原発避難者の支援活動を展開している。ラトブからイトーヨーカドー平店へと場所を変え、今は平一町目、スカイストアの一角を借りて活動を続けている。水・土曜日が休みだ。
前々から、4月にはアカヤシオの花が咲く、と言ってきた。「ぶらっと」を開設して4度目の春、やっとスタッフ関係者による花の宴が実現した。いわきで頑張ってくれるのはありがたいが、いわきのよさも味わってほしい、まずは天然の美に触れて息抜きを――という思いが実った。
前日からの雨だが、東京といわき市内から、スタッフと家族合わせて11人が集合した。男は私と現スタッフの夫(私の元同僚で現役の記者)、小6のその息子、元スタッフの3カ月の赤ちゃんの4人。「女性に奉仕する日」と決めて、ハンドルキーパーになった。
元同僚は仕事で子どもとともにあとからやって来た。奥さんにハンドルをまかせて、私と飲むつもりで「とっておき」の鹿児島の本格焼酎「なかむら」を持参した。ビールもどきのノンアルを飲んでいると私がいい、もうビール飲んじゃったと奥さんがいうと、本人もノンアルを口にするしかなかった。
それぞれ持ち寄ったもののいくつかは、私ら夫婦には“初物”だった。双葉町から避難し、いわきで結婚をして母親になった元スタッフは、「夏井川の小石」と「「浜街道パイラスク」を持ってきた。ラスクは帰宅後、晩酌のときに口にした。ガーリック風味の「青のり塩」が効いて止まらなくなった。
焼酎の「なかむら」については、おれが持ち帰って余ったものを返すというのはどうだい、といったら、返事がなかった。では、と、グラス(ほぼ1合)に注いでもらい、ラップでふたをして持ち帰ったのを晩酌にした。芋だから独特の香りがするが、熟成しているのか水の膜にくささが包まれた感じで飲みやすかった。
晩酌が始まる前、別のスタッフがお母さんとともに、鹿児島の芋焼酎「鉄幹」を持ってきた。ハンドルキーパーの余禄だ。こちらはきょう飲もう。
3・11から4年1カ月(1493日)、いわき市南部を震源とする巨大余震から4年(1462日)。ひとりで長々と献杯を続けた。
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