2015年4月4日土曜日

これも花見

 突然、庭から「ピース(平和)、ピース」という鳥の鳴き声が聞こえてきた。見なくてもわかっている。プラムの白い花が満開になった=写真。その花の蜜を求めてヒヨドリがやって来たのだ。
 3月中旬から年度の替わり目に必要な書類作成・提出、カネの計算、行政区の総会にまつわるもろもろの手続きその他をこなすのに精いっぱいだった。今はいわき地域学會の総会と、来週からの週一のおしゃべりの準備に追われている。といえば、いかにもきちんとやっているようだが、会議をひとつすっぽかしてしまった(午前の開催を午後の開催と思い込んでいた)。

 きょう(4月4日)もあすも予定が入っている。けさの福島民報いわき版は、夏井川渓谷のアカヤシオ(イワツツジ)が開花したことを、カラー写真付きで報じていた。渓谷がピンク色に染まっている。
 
 今すぐ花見に行きたいのに時間がない。ならば、そこにあるもので間に合わせるしかない。庭のプラムを眺めて花見をしたつもりになる。きのうも朝、市役所に書類を届けた帰り、新川沿いのサクラを目に入れて花見をした気分になった。その点は安上がりにできている。

 わが家の庭木では、プラムがまっさきに花をつける。すると、冬の間は静かだった庭に甲高い鳴き声が戻ってくる。ほんとうはヒヨドリの貪欲さにへきえきしているのだが、ときに「ピース(平和)、ピース」と聞こえるようになったのは、チェリストの故パブロ・カザルスのおかげだ。

 カタロニアの民謡「鳥の歌」をカザルスが編曲した。「私の故郷カタロニアでは、鳥は『ピース、ピース』と鳴きながら飛ぶのです」。94歳のときに、国連本部で「鳥の歌」を演奏し、そう語った。

「ピース、ピース」は比喩にちがいない。平和を求めるカザルスの心は心として、スペインに「ピース(平和)」と聞きなせる鳥はいるのか、いるとしてその鳥はなんというのか――カザルスを聴くたびに気になる点だ。

 おっと、ヒヨドリより花だった。夕方にでも渓谷へひとっ走りするかな。

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