きのう(9月10日)は、昼前から雨が波状的に襲ってきた。「線状降水帯」といって、雨雲が連続して同じ「空の道」を通り、雨を降らせる。今回初めて聞いたことばだ。雨と雨の合間に回覧資料を役員さん宅に届けようと思ったが、ぬれる心配があるのできょう午後に持ち越した。
どこかのラジオがきのう、「きょうは一日、雨模様」と伝えたそうだ。「雨模様」は「雨が降りそうな状態」のことで、雨はまだ降っていない。古いメディアにはベテランがいるからこうした間違いは表に出ないが、ベテランのいない新しいメディアで「雨模様」を使ったのだろう。メディアからもついもれ出てしまうほど、「雨模様」の誤用が一般化しつつあるらしい。
それはさておき、きのうは茶の間でパソコンを開き、テレビをつけっぱなしにして、大雨情報をチェックした。このところ毎日、400字詰め原稿用紙に換算して300枚前後の他人の文章を読んでいる。合間にチラッ、チラッとテレビを見たり、パソコンでツイッターのタイムラインをのぞいたりしながら、各地の雨の様子を確かめる。
茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊した=写真(NHKの10日夜7時のニュース)。テレビの生中継にくぎ付けになった。自衛隊ヘリに救出された人の家が、次に見ると流失している。間一髪の救出劇に、あの日の大津波の映像を思い出した。(きょうはちょうど4年6か月の節目の日だ)
2011年3月11日。NHK福島放送局のカメラマンがヘリから「平野を襲う大津波」のスクープ映像を撮った。世界的・人類史的に貴重な映像はその年の新聞協会賞を受賞した。受賞者が「新聞研究」2011年10月号に書いた。
「その日、私はヘリ取材の当番として、福島放送局から仙台空港に出張し、ヘリポートに待機していた」。仙台市上空から仙台港へ出たあと、三陸のリアス式海岸をめざしたが、雪雲に阻まれて南下する。と、名取川の流れを遮るように一筋の白波が河口からさかのぼっていくのが見えた――。
「田園をのみ込みながら、巨大な生き物のようにザーと平野を走る大津波。先端がどす黒くなった大津波は住宅や車、農業用ハウスなどに襲いかかり、あっという間に巻き込んでいく」「生中継になっていることを思い出し、アップになりすぎてはいけないと、映像をワイドにすると、土煙が上がり、黒く染まった海岸線そのものが平野を飲みこんでいた」
今から29年前の8月初旬、集中豪雨でいわき市小川町の夏井川の堤防が決壊した。現場で取材していた後輩が、それこそ間一髪で助かった。彼はあとで別の道に進んだ。たまたま8日に遊びに来た。灰色の天気が続いているものだから、ついつい昔の堤防決壊の話になった。
大水の夏井川から「ゴーン、ゴン」と音がする。消防団員かだれかがいうには、大水で流されてきた岩がぶつかって割れる音だという。それほど水はすさまじい破壊力を秘めている。
わが隠居のある夏井川渓谷の道路はきのう午後3時、連続雨量が基準を超えたため、全面通行止めになった。あす土曜日、隠居でミニ同級会を開く。あすは通れるようになると思うが、通れない場合は、マチ場のわが家の向かいのゲストハウス(故伯父の家)で飲み会を開く。
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