2017年11月20日月曜日

いわきリピーター

 シャプラニール=市民による海外協力の会主催のいわきツアー「みんなでいわき!2017」が土・日(11月18・19日)に行われた。今度で7回目だ。
 初日の夜、宿泊先でもある常磐の温泉旅館古滝屋で開かれた懇親会に夫婦で出席した=写真。ツアー参加者はスタッフを含めて17人。大半が顔見知り、いわきリピーターだった。2日目も昼前、四倉のワンダーファームで一行に合流し、「森のキッチン」で待望のランチを食べた。何度か行ったが、込んでいたり時間が早かったりして入ったことがなかった。

 リピーターの一人、Nさんと話した。いわきで会った人の話が年を追って穏やかになっているように感じられる、という。
 
 あれから6年8カ月がたつ。いわきの場合は沿岸部が大改造中だ。津波被災者はもちろん、原発避難中の人々もいわきに家を建てた、応急仮設住宅から復興公営住宅に入居した、といった話をよく聞く。それぞれが新しいステージに移った。過酷な体験も時間の経過とともにオブラートに包まれる。震災直後のままでは心が持たない、ということもあるだろう。
 
 逆に、Nさんのように何度も訪ねて来てくれることで、復興過程の「いわきの今」を目に焼き付けることができる。“現場”に立って考えることが大事だ、ということで一致した。
 
 リピーターと旧交を温めただけではない。いわきに住む双葉町のOさん、富岡町のTさんとも久しぶりに話した。古滝屋の若主人ともフェイスブックでは会っているが、顔を合わせるのは久しぶりだ。ワンダーファームでは、旧知のKさんが隣接する「JRとまとランド」に案内してくれた。Kさんとは震災前も前、ずいぶん前に会ったきりだ。Tさんからは町に帰還が進まない理由を聞いた。
 
 一行は2日目、ワンダーファームの前に小川のファーム白石でブロッコリーの収穫体験をした。旧知の若い生産者が「森のキッチン」で昼食中に顔を出した。ワンダーファームに野菜を納入しているのだという。彼は、初日に一行が昼食をとった平の華正楼の若いシェフともつながっている。最後は彼と私ら夫婦で一行を見送った。
 
 ツアーには参加できなかったが、いわきの人間と親戚のような交わりしている人がほかにもいる。シャプラが媒体になって市外の人々と市内の人々を結びつける。それぞれがまた自律的につながる。そういう地味だが確かな関係づくりこそがシャプラの活動の原点だろう。「来年は夏(野菜を収穫)に来てください」と、ファーム白石の若い生産者が提案した。大賛成だ。

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