原発が“不測の事態”に陥ったら、いわき市平・神谷の住民は茨城県南部の牛久市ないし福島県只見町に隣接する新潟県南魚沼市へ避難を――となる。
先日(11月18日)、いわきの草野・神谷・夏井地区23行政区の原子力防災実動訓練が行われた。神谷では最寄りの一時集合場所である小学校の体育館へ集まったあと、避難先避難所を想定した錦町・南部アリーナへ大型バスで移動した。同じ市内なのに、バイパスを利用してもほぼ1時間かかった。
南部アリーナの体育館には避難先自治体の要覧や観光パンフレットが用意されていた=写真。南方面はかすみがうら市と取手市、西方面は津南・湯沢・出雲崎町の資料を持ち帰った。
あとで、いわき市のホームページで原子力災害時の広域避難先自治体を確かめる。平地区の場合、南方面は石岡・牛久・かすみがうら・つくば・つくばみらい・土浦・取手・守谷各市と阿見町、西方面は長岡・柏崎・見附・小千谷・十日町・魚沼・南魚沼各市と出雲崎・湯沢・津南各町だ。
茨城県の南部は同じJR常磐線と常磐道・国道6号で結ばれている。なんとなくなじみがあるような、ないような……。新潟県は磐越道・国道49号でいわきとつながる新潟市以外、どこにどんな自治体があるのかよくわからない。まずは持ち帰った資料に目を通す。地図で確かめる。各自治体のホームページをのぞく。
南魚沼市は、江戸時代の商人・随筆家鈴木牧之(1770~1842年)のふるさとだった。牧之は雪と雪の文化・民俗などを記した「北越雪譜」や、津南町の秋山郷を訪ねた「秋山紀行」などで知られる。湯沢町は言わずと知れた川端康成の「雪国」の舞台、スキー場でも有名な温泉地だ。この地方は豪雪地帯で、「魚沼のコシヒカリ」の産地でもある。出雲崎町は日本海に面した良寛のふるさと。
牛久市には牛久大仏、小川芋銭記念館がある。芋銭がそうだったように、「橋のない川」の作家住井すゑも牛久沼のほとりに60年以上住んでいた。
そのへんを手がかりに、これからときどきネットで旅してみよう。スーパーひたちに乗ったら、牛久駅周辺の景色をこの目に焼き付けよう。南魚沼市、牛久市。万一のときにはわれわれを受け入れてくれる、大切な自治体だ。
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