2025年4月9日水曜日

1年生は1学級

「少子高齢社会」がいわれて久しい。ちょっと前までは一般論としての認識だったが、今は自治会(区内会)単位、あるいは学区単位でこれを実感している。

 4月7日に地元の小学校で入学式が行われた。区内会の役員をしているので、3月の卒業式に続いて、来賓として臨席した=写真(入学式のしおり)。

 新1年生は男子15人、女子11人の計26人で、クラスとしては1学級だけの編成だという。

 来賓の多くは同じ小学校の卒業生である。新1年生からみれば、おおむね祖父母の世代といっていい。家族にたとえるなら、祖父母―父母―1年生の3世代が一堂に会したことになる。

祖父母(以上の世代)に当たる私は、いわゆる「団塊の世代」なので、同級生がいっぱいいた。阿武隈の山里でも小学校は1学年3学級、中学校では5学級にふくらんだ。

それがたぶん、児童・生徒数としてはピークだった。当然、街場の学校はそんなものではなかったろう。自分の記憶からしても、新1年生が30人を割るというのはショックだった。

ここは平市街の近郊農村と初期のベッドタウンといったところ。新1年生の親の世代あたりまでは1学年2学級というのが普通ではなかったか。

私が入学式に初めて臨席したのは、12年前の平成25(2013)年。そのころから入学する児童の数は漸減していた。

クラスの定員は、最大40人がメドだったように記憶する。私たちの場合はそれ以上いて、教室には余裕がなかった。

現代では、学年合わせて40人余り、年度によっては40人を割るところまで数が減っている。今年(2025年)はさらに30人を下回った、というわけだ。

 翌8日は、1年生にとっては集団登校の初日だ。どんな様子か確かめたくて、登校時間に家の前に出た。

 カミサンによると、黄色い帽子をかぶった子、つまり新1年生は5人いた。前日、ほかの来賓とも話したが、それぞれの地区で入学した子どもの数が話題になったらしい。

隣接する区の新1年生は7人と5人ということだった。これにわが区の5人を足すと、26人のうち3区内会で17人を占める。新1年生がゼロの区内会もあったに違いない。

 若い世代がいないから、子どももいない。いるのは高齢者――。昔からの農村部はそんな状況らしいということも、役員の問わず語りで知った。

 集団登校初日の午前11時前、今度はたまたま家の前にいた。真新しいランドセルを背負い、黄色い帽子をかぶった1年生が、途中まで出迎えた保護者と一緒に帰って来るところだった。

カミサンが声をかけると、はにかみながらうなずいていた。初々しさにこちらもほっこりした。 

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