日曜日は夏井川渓谷の隠居で土いじりをする。その帰り道、食材を調達するために平窪のやさい館へ寄ることがある。私は「カゴ担当」だ。
4月20日はナメコ、ポン菓子、キュウリ、カブなどと一緒に、細くて短い新ゴボウを買った。
カブとキュウリは糠漬けの材料だ。今年(2025年)の漬け始めはカブ。そして、今はキュウリも加えて交互に、あるいは同時に漬けている。
新ゴボウは水曜日の午後、カミサンが細切りにして味を付けながらサッとゆでた。それが終わったところへ楢葉町の知人がやって来た。
知人はいつも手製の食べ物か食材を持参する。今回はゴボウのきんぴらだった。カミサンからその話を聞いて驚いた。なんという偶然!
夜、食卓にゴボウの煮物ときんぴらが並んだ=写真。味比べをするつもりはない。が、どうしても比較してしまう。どちらもやわらかかった。それだけでホッとする。
ゴボウにゴボウだから、そう簡単には器がカラにならない。翌日もまた、晩酌のおかずになって出た。それでも余った。
こんなときに義弟がいたら、と思う。ゴボウに限らない。もっと早くおかずの器がカラになるのではないか。
隣家に住んでいた義弟が彼岸へ旅立って半年になる。それからわが家の食事の風景が変わった。
義弟の不在を、私は漬物の消費量から感じてきた。「食べるだけの人間」だが、漬物は私がつくる。
冬は白菜漬け、春~晩秋は糠漬け。糠漬けはカブから始まって、すぐキュウリに移り、その後はキャベツやニンジン、ハヤトウリ、大根などと季節に応じて変えていく。
義弟は私より1歳年下だ。同じ団塊の世代で、食べ物の好みが似ている。ご飯には漬物を欠かさない。
今は白菜漬けから糠漬けに切り替えて1カ月といったところだろうか。その糠漬けの減り方がこれまでと比べてずいぶんゆっくりになった。
一つには、私ら夫婦の食べる量が減ったこと。二つ目は義弟が亡くなって、食卓を囲む人間が1人少なくなったこと。それでごはんとおかずの消費量が減ったのだ。
ゴボウのきんぴらも煮物もこれだけやわらかいと、歯の悪かった義弟も普通にかむことができたのではないか。
冬の白菜漬けも、春の糠漬けも空気に触れている時間が長くなると、酸味が増す。私はそれをあまり好まないので、ますます食べる量が減る。
ま、それはさておき、今度新ゴボウが手に入ったら糠漬けにしてみようか。あれだけやわらかいのだから、漬かりも早いはずだ。食べる量は減っても、食欲そのものはそう変わらない。
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