3月も半ば。15日の日曜日は予定が2つあったので、少し早く夏井川渓谷の隠居へ出かけた。
9時前には着いた。菜園に生ごみを埋め、ネギの苗床の草をむしっていると、どこからかかすかに「ホケキョ」、ややおいて「ホケベキョ」の声。ウグイスの初音(はつね)だ。
例年、渓谷で初音を聞くのは4月に入ってからだ。「まだ3月半ばではないか」。続く「ホケベキョ」には「おお、『方言』が代々受け継がれてるな」。
ウグイスの初音は、3月の終わりごろに下流のわが生活圏で聞き、そのあと渓谷で聞くというのが「定番」だった。
平地の夏井川では、河川敷の立木伐採と土砂除去が行われた結果、ウグイスが止まってさえずる木(ソングポスト)がなくなった。
それで最近は「定番」が通用しなくなった。にしても、3月半ばに、しかも渓谷でウグイスの初音を聞くとは。とにかく早い。
自然の移り行きと人間の暮らしが交錯し、共振しながら、歳時はめぐる。カミサンはこの日も、隠居の下の庭でフキノトウを摘んだ。私は上の庭で辛み大根を引っこ抜いた。
そのあと、下の庭へ行って地面に目を凝らした。何カ所かにフキノトウが残っている。
ホッとした瞬間、枯れ草色の丸いかたまりが目に入った。メジロか何かの鳥の古巣だ。これを回収する。この日の収穫は、古巣を合わせて3つ=写真上1。
それともう一つ。マチから小川町に入ったあと、三島の夏井川にハクチョウが何羽残っているかをチェックした。
草野心平記念文学館へ行き、いわき駅前の総合図書館に本を返したあと、堤防を利用して帰宅した。
塩(平)の越冬地には、ハクチョウの姿はなかった。何羽か残っていたカモも見当たらなかった。
近くのネギ畑を見ると、残ったままだった13列が8~9列に減っていた。ようやく終わりの掘り起こしが始まったのだろう。
翼を傷めて三島にとどまったコハクチョウの「エリー」は、この春もとどまるのか。それとも、傷が癒えて仲間と一緒に北へ帰るのか。まだ10羽ほどいるので、エリーの有無はわからなかった。
帰ってくれよ。いないでくれよ。今の時期になると、そんな思いが膨らむ。春になればハクチョウはいわきから姿を消す。これが一番なのだから。
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