その情報にはちょっと心が動いた。「サンマやメヒカリの干物を売っている」。小さな魚屋だという。すると刺し身も――。
ホウレンソウはあの直売所、ミニトマトはこの直売所。直売所巡りをいとわない人の情報だ。
去年(2025年)7月で行きつけの魚屋が閉店した。以来、日曜日の「刺し身ドライブ」が続く。
主に平、次に四倉。たまにカミサンの実家近くの好間、薄磯のカフェへ行った足で小名浜。ら・ら・ミュウはしかし、干物はあっても刺し身はなかった。
本命はカツオだが、冬場は非カツオの盛り合わせでいい。たとえばマグロ、ヒラメ、タコ、タイ、貝……。スーパーではこれらの中から選んだ3つの盛り合わせが主流のようだ。
解凍カツオもある。が、私は食べない。最近、解凍とある表示を見ずにカツ刺しを買って食べたら、刺し身の芯が凍っていた。これが嫌で、若いときに食べて以来、敬遠してきたのだった。
行きつけだった魚屋も「きょうは解凍ですから」といって、違う刺し身の盛り合わせをつくってくれた。
今度行った店は昔ながらの「鮮魚店」のイメージが強い。店主は背中を見せて包丁を動かしていた。これならいけるかもしれない。
店頭で小さな魚が干されていた。聞けばメヒカリだ。高級魚のノドグロも開きが干してあった。
個人営業の店だから、自分の考えは曲げないが融通はきく。そんな期待もあって、まずはメヒカリの干物を食べてみるか、となった。
「刺し身は?」。もちろんつくるという。「カツオは?」「4月になってから。(今、出回っているの)は九州(産)だから」。なるほど。黒潮に乗って本州沖に来ると仕入れて刺し身にする、ということか。
すると、ここでは解凍カツオは扱わない? そうであれば、私には好ましい。4月に入ったら生カツオが入る。カツオの刺し身が頭にちらついて、霧が晴れるような思いになった。
晩酌にメヒカリのから揚げとマイタケのてんぷらが出た=写真。このごろはどういうわけか魚とキノコを比べて、こんなことをよく妄想する。「魚には骨がある。キノコには骨がない。骨のないキノコがより食べやすい」
内臓と骨を取ったメヒカリは食べやすかった。熱いうちに3匹を食べた。ほくほくして、あっさりとした味だった。
久しぶりに魚屋の職人芸に触れた思いがする。「刺し身ドライブ」にはちがいないが、あっちにフラリ、こっちにフラリはもういい。
いわきでは毎月7日が「さかなの日」だ。3月5日に「いわき七浜さかなの日キャンペーン」チラシが新聞に折り込まれた。今回はじっくり「鮮魚」の店をチェックした。
メヒカリの干物を買った店は入っていない。行きつけだった魚屋もそう。そんな魚屋も身近にある、ということだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿