2011年9月21日水曜日

山を越える霧


ひとしきり雨が降ったあとの夕方。平の街へ出かけたら、西に横たわっている阿武隈の山のふもとから霧が次々にわいていた=写真。水平に筋となって延びるもの、尾根を越えていくものと、久しぶりに水墨画的な興趣を味わった。

連日の残暑で大地が熱を持っていた。そこへ、秋雨前線が停滞して雨が降った。そんなことが関係して、雨上がり、霧がわいたのか。最初は、川の水が堰をオーバーフローするように、山の向こうから霧が降りてきているのかと思ったが、逆だった。北の風の影響か、それとはわからないスピードで南へ、山の向こうへと流れているようだった。

ある年の初冬、赤井岳の中腹から下界を振り返ったとき、阿武隈の山々、というより夏井川へと延びる“山の舌先”が、同じようにわきだした霧で絶妙なハーモニーを繰り広げていたのを思い出す。同行のカメラマンが写真に収め、勤務していた新聞の元日付紙面を飾ったものだった。

あさって(9月23日)は秋分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」のころあいになった。連休までは半袖でよかったが、きのう(9月20日)はとうとう長袖に腕を通した。

寒暖の波が急にくると、風邪をひきやすい。ひけば年のせいで治るのが遅くなる。自衛の意味もある。やせ我慢をしても始まらない。晩酌は「チェイサー」を、水ではなくお湯にした。

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