2011年9月7日水曜日
キノコのこと
「キノコを食べるな」。そんな状況らしい。福島県の阿武隈高地南部の町で採取された野生キノコの一部が、放射性物質に汚染されていた。
新聞報道によれば、問題のキノコはチチタケ。食品衛生法の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された。原子力災害対策特別措置法に基づいて、6日、棚倉町と古殿町のチチタケ、マツタケ、ホンシメジなどの「菌根性」のキノコの出荷が停止されたという。
ホンシメジは採ったことがない。マツタケも採ったことはない。チチタケ=写真、これは夏井川渓谷でも普通に採れる。毎年採って、うどんのダシにしている。いわゆる「チダケうどん」だ。
キノコは一年中発生している。冬のエノキタケから始まって、アラゲキクラゲ、ハルシメジ、アミガサタケ、ウスヒラタケ、マメダンゴ(ツチグリ幼菌)、アイタケ、タマゴタケ、アカヤマドリ、チチタケ、ウラベニホテイシメジ、アミタケ、ナラタケ、クリタケ、ムラサキシメジ、そして晩秋のハイイロシメジまで、森に通っていれば普通にお目にかかる。
今年は梅雨どきに、無量庵(夏井川渓谷)の庭の地中に眠るマメダンゴを採って食べた。地表にはセシウムが付着しているとわかっていても、食べたい気持ちを抑えることができなかった。放射線の専門家からは「キノコもおいしく食べられるお年ですから秋はキノコ狩りですか?」などという、半分からかいのコメントが入った。
3・11以来、森に入ったことはない。行っても無量庵の対岸の「木守の滝」どまりだ。その時期になると、キノコの姿が頭の中に投影される。9月上旬の今なら、タマゴタケ、チチタケだが、マメダンゴのときのような食欲はわかない。セシウムが濃縮されているとわかっているからだ。
昔、チェルノブイリを扱ったテレビ番組のなかで、ムラに戻ったお年寄りが放射性物質に汚染されたキノコを採取して食べているのを見たことがある。キノコに関しては同じ状況になった。
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1 件のコメント:
初めてコメントさせていただきます。
私も去年のこの時期は玉山の松茸をいただいて賞味しました。
子供のころは高久の山の中を親父と歩いて松茸狩りをし「ここは秘密の場所だから誰にも言うんじゃないぞ」なんてくぎを刺されていたのを思い出します。
秋のキノコ。今年もいわきで食べたいものですね。
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