2011年9月25日日曜日

市民講座再開


手前みそながら、いわき地域学會が活動を再開した。3・11以来、春の巡検を中止し、市民講座を延期していたが、区切りの半年が過ぎたことから、会としての「日常」を再構築することにした。9月24日にはいわき駅前再開発ビル「ラトブ」で7カ月ぶりに市民講座を開いた=写真。およそ40人が参加した。

受講者は常連さんが多い。2月19日に市文化センターで市民講座を開いて以来だから、ほんとに久しぶりの再会だ。市民講座復活にあたって、「二つのサイカイを喜びたい。皆さんに再会できたことと、市民講座が再開できたことを」とあいさつした。

大なり小なり全員が被災者だ。その人たちが地域学會の活動再開を待ち望んでいた。あいさつを交わし合う姿からも、そのことを感じ取ることができた。

地域学會にはさまざまな分野の専門家がいる。市民講座は放射線の話から再開しようとなった。会員の工学博士小野双葉さんが講師を引き受けた。「日常生活と放射線」と題して話した。

放射性物質が始末に負えないのは、やって来ても目に見えるわけではなく、においがするわけでもないことだ。金子みすゞの「星とたんぽぽ」ではないが、「見えぬけれどもあるんだよ。/見えぬものでもあるんだよ。」だから、無防備な市民は怯え、不安になる。小野さんの話を聞いて、少しは気持ちが穏やかになったような感じがした。

市民講座はこれまで、毎年2~11月の第3土曜日に市文化センターで開いてきた。ティーワンビルの生涯学習プラザが会場になることもあった。それが3・11以後、市の災害対策本部になったり、震災の影響で使えなくなったりした。ラトブを会場に選んだのはそういった事情による。10月もラトブが会場になる。

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