2011年9月8日木曜日

車が歩道を暴走


きのう(9月7日)の午後1時ちょっと前、家で休んでいると2軒ほど先の方から聞き慣れない音が飛び込んできた。なにかがぶつかってはずんだような感じ。プロパンガスのボンベを積んだトラックがバウンドしてよくそんな音を立てるが、それとは少し違う。

はてなんだろう。2階の窓を開けて道路を見たら、120メートルほど先のコンビニの前に人だかりができていた。民家からも、事務所からも人が出てコンビニの方を見ている。異音がして20秒もたっていない。「救急車を呼べ」という声が聞こえた。

これは行ってみないと――。四つ葉のクローバーマークをつけた青い車が電柱にぶつかって止まっていた。運転していたお年寄りが白い顔をして、車の中でじっとしている。ハザードランプが点滅している。

車は、前部がベッコリへこんでいた。左前輪にはタイヤがない。タイヤははずれて道路の反対側に転がっていた。右前輪はパンクしている。両サイド前部にこすれたあとがある。目撃した人の話と、縁石・歩道の痕跡を総合すると、こういうことだったらしい。

コンビニからおよそ100メートル手前、わが家の斜め前の神谷郵便局あたりで車は対向車線にはみ出し、歩道の縁石(ちょうど斜めに切られてある)=写真=に乗り上げたあと、異音を発して縁石をこすり、歩道にすっぽりはまってしまった。

そこで止まるかと思いきや、車は歩道を暴走し、左側の街路灯をこすり、タイヤのはずれた左前輪が縁石に乗り上げると同時に右側面で民家の石塀をこすり、コンビニの駐車場角の電柱に激突して止まった。

道路は郵便局のあたりから左にカーブしている。なにか体調が急変して反対車線に直進してしまったのだろうか。縁石に乗り上げたころから、アクセルペダルからブレーキペダルに足を動かせなくなっていたのかもしれない。アクセルとブレーキを踏み間違えたというより、アクセルペダルを踏んだまま走り続けた――そんな印象を受けた。

でないと、あの狭い歩道を道なりに100メートルも突っ走るなんて不可能だ。幸い残暑の厳しい昼下がり、歩道に人影はなかった。

やがて救急車がやって来た。ポンプ車も、警察の事故処理車も到着した。ますます人だかりが膨らんだ。すると、さらに救急車が1台やって来て、現場の交差点を左折した。そちらは急病か。一帯はしばらく騒然とした空気に包まれた。

自損事故ではある。が、考えれば考えるほどぞっとする。その1時間前、私はカミサンと近所の中華料理店へ歩いて出かけた。事故のあった歩道を行って、ほんの20分前、帰って来た。その2時間後といえば、小学校の低学年生が現場の歩道をわいわい言いながら帰って来る時間帯だ。

「下校時間でなくてよかった」。歩道に集まった人たちは、時間によっては大惨事になったかもしれない事故を振り返って、「ほんと、ほんと」と大きくうなずいた。私はさらに「1時間前、あるいは20分前でなくてよかった」と胸の中でつぶやく。事故は、災害はいつ、どこで起きるかわからない。

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