2011年9月14日水曜日

お月見飾り


一昨夜(9月12日)は「八月十五夜」。いわゆる「中秋の名月」だった。カミサンが小さな文机を出してお月見飾りをした。その飾りをながめながら客人と晩酌をした。

日曜日に夏井川渓谷でススキとミズヒキソウ、キンミズヒキ、野菊、アザミを摘んだ。それらを入れた花瓶を飾り、虫と虫かごをかたどったわら細工を飾り、川前のブドウ園から買ってきたフジミノリとコンビニのだんごを供えた。簡略ながら、毎年、お月見飾りをしては晩酌の楽しみとしている。

その日の夕方、知人のおふくろさんの通夜へ出かけた。6時前には帰宅した。東の空に大きな月が見えた。昇り始めたばかりだった。写真だ、写真だ! 家の2階に上がるが、隣家の屋根に邪魔されて月は見えない。道路向かいの駐車場へ出る。やはり屋根に隠れて見えない。

車を飛ばして夏井川の堤防へ出たら、ここではもうかなり高いところまで昇っていた。岸辺林と家も収めようとすると、月は小さくなる。シャッターを切ったものの、なんとなく構図が面白くない。

家に戻って、2階のベランダから隣家の屋根の上に現れたところを狙ってシャッターを切った=写真。お月見飾りができ、客人が来て晩酌を始めたのは、それから1時間後。

3・11以来、なにかと省略する癖がついた。5月の端午の節句には、孫のために兜を飾るようなこともなかった。半年がたって、少しでも日常を取り戻そうという気持ちが強くなってきたのかもしれない。その日常においては節目のお月見である。

客人とあれこれ話しているうちに、フジミノリを凍らせて食べてみよう、ということになった。大粒で種なし。凍ると黒い皮がつるりとむける。小一時間あとに半分凍りかけたのを食べたら、やはりつるりと皮がむけ、果肉も冷たく、シャリシャリしてうまかった。「月見だんご」ならぬ「月見ぶどう」だ。にしても、心おきなく月見ができる日はくるのか。

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