2011年9月12日月曜日
復興ビジョン
いわき市の復興ビジョン(素案)ができたことは新聞で承知していたが、さてどんな中身か。素案を手に入れてじっくり読むなんてこともなく過ぎた。なんだか川の向こうのできごとのような感じだった。
市外から支援活動に入っているNGOのスタッフから、パブリックコメントを出す必要はないのかと言われて、ハッとした。これからも住み続けるいわき市の将来を決めるビジョンだ。インターネットを通じて素案をダウンロードした。
「いわき市 復興ビジョンへの提言(素案)」は①市民の安全・安心の最大限の確保②震災前にも増して活力に満ち溢れたまちの創造―の2点を目標に、5つの理念を掲げる。
「理念1」は<「オールいわき」「オールジャパン」による復旧・復興(連携)>。異存はない。「理念2」は<災害に強く、安全で、安心できるまちを目指す復興(安心)>。その通りだろう。
以下、<前例のない複合災害からの再生モデルを世界に示す復興(活力)>(理念3)、<住む人も住む場所も世界から愛されるまちを目指す復興(魅力)>(理念4)、<原子力災害を克服するとともに、再生可能エネルギーの導入を推進し、原子力発電に依存しない社会を目指す復興(挑戦)>(理念5)と続く。
「世界の中のいわき」という視点で貫かれている。なかでもわかりやすかったのが「理念4」だ。
――本市は、地震や津波など自然災害の脅威にさらされ、原子力災害が発生した「フク シマ」の一地域として世界中に認識されています。
このことから、本市は、日本ひいては世界のため、収束を目指す原子力災害対応の拠点地域として重要な役割を果たしていることを積極的に発信するとともに、地域の絆や自然などの魅力を磨き上げ、「人」も「場所」も世界中から愛され、受け入れられるようなまちを目指します。――
いわき市は久之浜=写真=で「フクシマ」と対峙していると思っていたが、そうではない。世界の中で物事を考えれば、いわきは「フクシマ」の一地域であり、原発事故収束のための拠点なのだという。なるほどそうか。
復興ビジョンを考える市民集会が9月13日午後6時から、いわき明星大で開かれる。いわき地区NPOネットワークが主催する。関係者から連絡がきたので参加しようと思っている。
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