2012年4月5日木曜日

凶風一過


おととい(4月3日)午後からきのう午後遅くまで、いわき市は低気圧通過に伴う強風に見舞われた。雨も降った。が、ただの強風ではない。夜も、未明も「ビュビュビュ……」。強風をはるかに超える「凶風」だった。

西日本も、東日本も台風並みの暴風雨に見舞われた。被害も出た。いわきはどうだったか。列車が運休したり遅れたりしたほか、一部地域で停電になった。

低気圧が台風並みのエネルギーを持つようになった。それは前から実感していたことだ。2009年2月1日付「冬のアラシ」、2010年12月4日付「冬の狂風」。わがブログで低気圧が狂暴化していることを書いた。「アラシ」「狂風」ときて、今度は「凶風」だな――3・11から1年余、「半壊」の家に住む身としての実感だ。

風神が「ビュー」と息を吐く。が、「ビュビュビュ……」だ。息を吐いたら吸う、その瞬間は風がやむはずなのにやまない。吐き続けるだけになった。それゆえの「凶風」。テレビで知ったが、宮城県の仮設住宅では屋根が吹き飛ばされたところもある。

野口雨情の童謡に「葱坊主」がある。「びュ びュ 風が/山から/吹いた/昨日も 今日も/畑に/吹いた/畑の中の/葱坊主/寒かろな。」。ネギ坊主ができるころにはだいぶ暖かくなっている。「寒かろな」はありえないのではないか、と思っていたが、今度の爆弾低気圧だ。雨情は実景を詠んだのだと知る。

やっと風がやんだのは、きのう夕方。「凶風」一過だ。久しぶりに夏井川の堤防へ出た。

朝と夕ではコースを逆に取る。同じではつまらない。朝は国道6号常磐バイパスの終点から堤防に出る。夕方はその逆。夏井川と国道をまたいだ橋の下を歩く。そこに駐輪場がある。「凶風」のせいかどうかは知らないが、4台すべてが倒れていた=写真

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