2012年4月1日日曜日

新年度スタート


新年度がスタートした。私の関係するいわき地域学會も、3・11を機に「1-12月」の会計年度を「4-3月」に改めた。日曜日、4月1日。平成24年度の初日だ。これから、会の事業ではないが深く関係する人の家(神社)の行事に立ち会う。3・11がなければしなくてもよかった神事だ。

この日、関係するNGO・シャプラニールがいわきで開設している被災者のための交流スペース「ぶらっと」も、いわき駅前のラトブから駅東のイトーヨーカドー平店に場所を変えて再オープンする。神事も、再オープンも始まりの時間は同じ午前10時。神事が終わってから、ヨーカドーに駆けつける。

「ぶらっと」の引っ越し作業は30日午後から31日午後まで行われた。飛び飛びに参加した。31日午後3時ごろにはあらかた作業がすんで、さあ帰ろうかとなったときに、ボランティアの一人から耳打ちされた。シャプラの現地採用スタッフの一人、斉藤クンが31日をもって退職する、ついてはサプライズの花束贈呈をやるからぜひ参加を――という。

夕方4時45分、ヨーカドー4階の書店付近でボランティア一同が待ち合わせることになった。スタッフとは打ち合わせ済み。ひとり斉藤クンだけ知らない。スタッフルームで打ち合わせが終わるころ、忍び足で10人余が新しい「ぶらっと」に集まった。

東京の本部スタッフ1人のほかに、現地採用のスタッフは2人増えて4人。そこから斉藤クンが欠ける。スタッフルームから最後に斉藤クンが出てきた。ボランティアの顔を見てびっくりした斉藤クンに、一斉に拍手が送られる=写真。それから、花束贈呈だ。

斉藤クンは、もともとはイタリア料理人。東京からいわきへ帰り、やがてシャプラのスタッフになり、津波被災者や原発事故避難者の支援活動に従事した。「ぶらっと」が開設してからは常駐スタッフとして、持ち前の「和みの力」で行事の調整や話の聞き役などをこなしてきた。

で、自分の店=パンケーキカフェ「ポップライフ」を出すための退職――が決まったとき、ボランティア仲間が最後にサプライズを用意した、というわけだ。3・11後、新しくできたきずなのひとコマだった。

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