2012年4月28日土曜日

キジが鳴く


夏井川下流の河川敷では、キジ=写真=の縄張りがよくわかる。こっちで「ケン、ケーン」、あっちで「ケン、ケーン」。姿も遠目で小さいが見える。

曇天のおととい(4月26日)、午前6時半ごろ。堤防の上を歩いていると、キジの鳴き声が聞こえた。音源を探る。河川敷に広がるヨシ原だ。

枯れヨシの野焼きが行われて見晴らしがよくなった。岸辺にはヤナギ、ニセアカシアの高木が並び、ヨシ原にはイタチハギやオニグルミなどの若木が散在する。その一角にぽつんと黒い点がある。動く。キジの雄だ。鳴いて、ほろを打つ。

国道6号バイパスの夏井川橋から上流へ進んで、中神谷公園の近くで堤防を下りる。川はS字状になっている。その間ざっと1キロ。ケータイの万歩計で1100歩ほど、歩幅は90センチとみての計算だ。

対岸で3羽、こちらの河川敷で4羽、計7羽の雄が鳴いて縄張りを主張していた。対岸のキジのうち2羽は川はさんで向かい合っている。それだけ両岸の河川敷が広い。あとは片方だけ河川敷が広がっている。そこにいた5羽についてみると、雄と雄との距離は200メートル。200メートルごとにキジの縄張りがあるということになる。

4年前の今ごろ、やはりキジの縄張りを計算した。そのときの計算とまったく変わっていない。

そこからまた同じ夢想を始める。夏井川の河口から水源までおよそ67キロある。200メートルに1羽、雄がいるとして流域全体の河川敷では何羽になるか。雄がいて、雌と雛たちがいて……。ただし夏井川渓谷にはいない。その上流、田村郡には少しいるか、などと空想をころがす。――たまには少年に戻らないと身が持たない。

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