2012年4月11日水曜日

穴ぼこだらけ

まずは4・11だ。去年、3・11から1カ月を迎えて黙祷した。その直後に激しく揺さぶられた。また黙祷する事態になった。1年前のきょう。夕方だった。強震、雨、落雷、そして壊れた原発。この世の終わりを覚悟した――。

 日曜日(4月8日)に夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。そのとき、途中で目に入ったノリ面の異変。枯れ草に若芽のまじる斜面が穴ぼこだらけになっていた=写真
土石がほじくり返されて散乱している。人間がわざわざこんなことをするはずがない。すさまじい掘削力と破壊力だ。犯人は動物、だとしたらイノシシ。それ以外に考えられない。 

 東日本大震災と原発事故の影響でハンターが減った。イノシシから暫定基準値を上回るセシウムが検出された、森林の空間線量が高い、といったことから、ハンターの意欲が減衰したらしい。

いわき市はこのため、「イノシシの捕獲体制を維持し、農作物被害等の拡大防止を図る観点」から今年2月1日、「イノシシ捕獲報償金交付要綱」をスタートさせた。 イノシシを捕獲して北部ないし南部清掃センターへ搬入すれば、1頭1万円がもらえる――というものだ。4月からの新年度も継続して報償金を出す。24年度は820頭を対象にしている。

 夏井川渓谷の小集落――。イノシシの話には事欠かない。3・11以前のことだが、「夕方、道路でイノシシの親子に遭遇した」「線路を横断中、列車にはねられて下の道路に落っこちてきた」「ヤマユリの根もヤマイモもほじくり返して食べる」うんぬん。 わが無量庵へも出没する。2年ほど前には、ミミズを狙ってか菜園のそばの土手をラッセルした。広辞苑くらいの大きさの石などは平気で動かしてしまう。 

 日曜日に見たノリ面の惨状は、だからイノシシの仕業と察しがつく。が、これほどの荒らしようは初めてだ。厳冬によるえさ不足ということもあるのではないかと思うが、むろんそんなことはイノシシに聞かないとわからない。

0 件のコメント: