2012年4月24日火曜日

バングラ交流報告会


3月の春休みに中・高校生を対象にしたバングラデシュのスタディツアーが実施された。シャプラニール=市民による海外協力の会が主催した。「中学生によるバングラデシュとの交流報告会inいわき」がおととい(4月22日)、いわき市社会福祉センターで開かれた=写真

シャプラは「東日本大震災」後、北茨城からいわきに入って緊急支援活動を展開した。今も交流スペース「ぶらっと」(4月1日、いわき駅前のラトブから駅東のイトーヨーカドー平店に移転)を運営して、被災者支援を続けている。

スタディツアーは3月24日~4月1日に実施された。被災地特別枠で、いわきから3人の中学生を招待することにした。作文による選考が行われた。作文を読んで意見を、と言われた。こちらの判断が甘いと感じられるほど、シビアな選考になった。

3月には中学生だった3人(うち2人は兄妹)だが、4月がきて2人が高校生になった。もう1人も進級して中学2年生になった。

人は旅をすることで新たな「光」を「観」る。「観光」とは本来的に「スタディツアー」なのだと思う。

私は、かつての同級生たちと60歳を過ぎて初めて海外(北欧)旅行をし、翌年には一緒に台湾を旅した。そのときの経験と、かつて故里見庫男さん(いわき市観光物産協会長、初代のいわき地域学會代表幹事)から学んだことなどを踏まえて思うのは、観光=修学旅行ということだ。

そういう認識で3人の話を聴いた。気候・風土・文化……。違いに戸惑い、しかしその違いを受容する。「貧しい、かわいそうな国だと思って行ったが、それは間違いだった。人々は心が豊かだった」「物乞いする子どもがいてつらい気持ちになった」

3人はバングラの「光」と「影」を「観」てきた。いまだ体験が十分、意識化(言語化)されていないとしても、やがて深く、広く言葉としてとらえられる――そういうときがくるはずだ。

3人の話で特に印象深かったのは、農村部へ行ったときに村人が「そこら辺に咲いている花を摘んでプレゼントしてくれた」ことだ。バングラデシュの人たちの、客を思いやる心、もてなす心がしのばれるエピソードだ。

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