早春植物、たとえばカタクリ。この「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)は、いわきの平地では、県立高校の合格発表がある3月中~下旬に開花する。今年はしかし遅れている。やっと花に出合えるようになった、といったところか。
庭に、ニリンソウがある。親類の土地に自生していたのを、少し分けてもらった。いわきの春の進み具合を測る目安にしている。同時に、食材としての意味合いもある。
カタクリの葉を摘んでおひたしにする。同じころ葉を広げるニリンソウも摘んでおひたしにする。――30代前後に山菜に没頭して、食べられるものはひととおり口にした。
が、まかり間違えば中毒死、といったケースがないわけでもなかった。セリ。乾いた冬枯れの田んぼではなく、小流れにしぶとく生きている水ゼリを摘んでおひたしにする。春先は、そうして山の幸を味わう。ある山里の湿地で摘んだのを持ち帰り、根を切り落とす段になってン?となった。ドクゼリだった。
きのう(4月8日)のニュース。前日の土曜日夜、函館で男性2人がトリカブトの葉を食べて亡くなった。「ニリンソウなのでおひたしにするとうまい」。トリカブトの葉をニリンソウの葉と間違えて採ってきた、ということだ。確かに若い葉は似ている。要注意だ。
スプリング・エフェメラルは、夏井川渓谷にも生息している。日光が降りそそぐ空き地の小流れ。キクザキイチゲが小さな葉を広げ、花を咲かせた=
写真。渓谷にもやっと妖精が躍り始めた。山菜採りらしい人間もちらほら見られるようになった。
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