2012年4月8日日曜日

「凍結・破損」やっと修理


水道工事業を営む同級生と金曜日(4月6日)午後、夏井川渓谷の無量庵で落ち合った。1月中旬に無量庵の洗面所の水道管が凍結・破損した。2年連続だ。通算では何回になるか、とにかく極寒期になるとやられる。そのつど同級生に連絡する。「花見の前に水が出ればいいから」。2カ月半は物置同然の無量庵行となる。

花見といっても、夏井川渓谷の花は桜ではない、アカヤシオ(イワツツジ)だ。いわきの平地でソメイヨシノが咲きだすころ、夏井川溪谷ではアカヤシオが冬眠から覚める。常緑のモミと松を除いては、木々はまだ裸のまま。殺風景な渓谷の斜面全体をピンクの花が彩る。

園芸種のソメイヨシノと違って、天然の春告げ花だ。自然が生み出した点描画を見るために人が押し寄せる。無量庵へも知人・友人がやって来る。

去年は、花見どころではなかった。3・11に伴う原発事故のために避難し、9日後に帰宅したあと、無量庵の様子を確かめに出かけた。

渓谷は、がけ崩れが起きて通行止め。警官の検問を受けながら、迂回路を使って無量庵へたどり着いた。置き時計などは落下していたものの、おおかたは無事だった。庭を支える石垣が一部崩れていた。石垣は今もブルーシートをかぶったままだ。

同級生と約束したのは午後1時。無量庵に着いて、部屋に入った途端に玄関が開いた。びっくりした。予定より早くやって来て、隣地(約30メートル先)にある井戸水のポンプを分解し、再起動にそなえていたのだという=写真。ありがたい。準備ができていれば、水道復活はすぐだ。

洗面所の水道の元栓を締め、電源を入れて呼び水をすると、ポンプから水がゴボゴボ噴き上げてきた。無量庵に戻って蛇口をひねると水が出た。以前はいちいち歩いて行ってOKのサインを出したが、ドコモのアンテナが立ってからはケータイでのやりとりだ。30分もたたずに工事が終了した。

きょう(4月8日)はこれからすぐ無量庵へ出かける。いい天気だ。雨戸を開けてふとんを干す、カメムシが越冬し、ノネズミが夜な夜な遊びまわる部屋を掃除して、少しでも人間くさい雰囲気を取り戻す。花見の前の大事な“儀式”だ。

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