「踏切が替わったよ」。夏井川渓谷の牛小川に磐越東線の踏切がある。警報機はあるが、遮断管はなかった。それが最近、遮断管つきのものに一新された=写真。4月15日(日曜日)の「春日様」のときに教えられた。黒と黄のトラ模様の棒が4本立っている。列車が通過するときにちゃんと両方・両側から遮断管が下りるのを確かめた。
私が牛小川に通い始めて17年になる。最初の年の1月に阪神・淡路大震災が発生し、3月に地下鉄サリン事件が起きた。そのあとの5月末、今は亡き義父に連れられて牛小川の隣組を回った。無量庵の管理人として、週末、寝泊まりしますから、と。
何年かあと、よもやここで、という踏切事故が起きた。ちょうどアカヤシオの満開時。日曜日、午後1時半ごろ。車と人とで道路はごった返していた。そうした混雑を避けて車を止める場所を探そうとしたのか、夫婦の乗った車が踏切を渡りかけて列車と衝突した。
踏切からちょっと先の線路わきにはじきとばされた車の中で、夫婦は意識不明になっていた。報道で知ったが、夫は私らの子どもが通っていた小学校の用務員だった。当時は市の支所に勤務していた。父兄として面識もあり、話をしたこともある。その人が、そして奥さんがよりによって無量庵の近くで、踏切事故で亡くなるとは。
牛小川踏切では、ずいぶん前に地元の人が列車にはねられて亡くなっている。それ以来の事故だった。
そうした背景、歴史と要望が重なって、やっと踏切に遮断管がつけられた。私が現役の記者だったら記事にするのだが――なんてことは言うまい。
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