2012年4月12日木曜日

人形出現


散歩コース沿いに高速バスの駐車場がある。ある日、出入り口のわきに作業服姿の人形が据え付けられた=写真

つばのついた青い帽子をかぶり、白を基調にした、清潔そうな作業服を着ている。顔は緑色の球状で、黒縁のメガネをかけたちょっとのんきな兄さんが、柵によりかかって一服している、といった風情。

遠目には、人間がそこにいるように見える。なんだろうと人形をのぞきこんだとき、いつも散歩ですれ違う男性と目が合った。彼も「最初はびっくりしたー」という。だれもがそう思ったことだろう。

駐車場にいる人はと言えば、運転手さんだ。ユーモア感覚に富んだ運転手さんが休み時間を利用してセットしたか。毎朝、そばを通るたびに彼の後ろ姿をちらりと見る。上着の色の組み合わせがしゃれている、どんな職種の人が着ているのだろう、重機オペレーターかトラックの運転手か、などと想像してみたりもする。

何日か前からは「気をつけ」の姿勢に変わった。柵に寄りかかっていたのはいいが、長く休みすぎたらしい。まだまだプロに徹しきれない若者を相手に、上司がくどくど説教をしている――そんな場面を思い描いて、勝手に楽しんだ。ほかには? メガネがない。爆弾低気圧に吹き飛ばされたか。

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