2014年12月24日水曜日

これも「地の塩」

 土曜日(12月20日)に開かれた交流スペース「ぶらっと」のクリスマス会では、アトラクションとは別に、11月22日に長野県北部で発生した地震の義援金を募った=写真。同県小諸市の音楽グループ「音だまくらぶ」が3年連続、演奏慰問にやって来た。そのグループに義援金3万9000円弱が託された。

「ぶらっと」は、地震で家が壊れ、津波で家を失い、原発事故でふるさとを追われた人などの交流の場として、国際協力NGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」が、東日本大震災からざっと半年後、いわき駅前のラトブに開設した。その後、イトーヨーカドー平店に移り、現在は平・本町通りの西端、スカイストアの一角にある。

 クリスマス会には、かつて「ぶらっと」を利用していた人、今も利用している人など、ボランティアを含めて120人が集まった。

 長野県北部では3・11の翌日、新潟県に接する栄村を中心に最大震度6強の大きな地震が発生した。巨大地震と大津波に見舞われた東北の人間には、同時に原発事故が起きたこともあって、わが身と家族の安全を考えるだけで精いっぱいだった。

 それからおよそ3年8カ月、また長野県北部で大きな地震が発生した。白馬村の被害が大きかった。「ぶらっと」利用者の多くは「非日常」の日常を生きているとはいえ、時間の経過とともに相手を思いやる気持ちも戻った。なにより被災者の気持ちがわかる。受けた恩をいつかは返したいという思いもある。

「富者(長者)の万灯より貧者の一灯」という言葉がある。「地の塩」という言葉がある。尊いのは他人のためになにかをなす、ということだ。「間違いなく白馬村に届けます」。「音だまくらぶ」を仲立ちに、被災者から被災者へと「地の塩」が手渡されることになった。

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