路上に横たわっている犬や猫、タヌキのところへ真っ先にやって来るのはカラスだ。交通量の多い場所では、車が赤信号で止まるのを待って“死物”を道端に寄せようとする=写真。理由は、いわずもがなだろう。
ごみ集積所も、人間とカラスの“戦場”だ。ごみネットをかけ忘れた、生ごみが袋の外から見える――人間がちょっとでも油断すると、たちまちごみ袋が破かれ、生ごみが散乱する。
朝7時半過ぎ。「おはようございます。カラス――」。ほんのたまに、玄関の外から近所の交通指導員Nさんの声がかかる。わが家の前の歩道にごみ集積所がある。歩道は通学路になっている。Nさんはその先の信号機のあるところで、子どもたちのために毎朝、立哨している。その行き帰り、カラスが生ごみをつついていると、ごみネットを保管しているわが家に寄って連絡してくれるのだ。
震災から1年ほどたったころ、急にカラスが生ごみをつついて散らかすようになった。ちり取りとほうきとごみ袋を持つ日が続いた。写真を撮り、看板を立てて注意を促したら、次第に収まった。それ以来のカラス襲来だ。
「燃やすごみの日」だけでなく、「プラスチック容器類の日」にもカラスが舞い降りてごみ袋をつつく。「プラスチック容器類」には食べ物かすの付いたものが多い。おととい(12月3日)はそれで、近所の奥さんが「ネットをかけるから」と家に来た。「いえいえ、私がやります」。プラ容器だからといって油断はできない。
きのうは「燃やすごみ」の日。朝7時前に、庭の方からカラスの鳴き声が降ってきたので、反射的に電柱にごみネットを縛りつけた。ごみ袋はまだなかった。7時あたりからごみ袋が出される、ということが、カミサンまかせの身にはわかっていない。
にしても、震災後、近所に現れるカラスの数が増えたような気がしてならない。電力会社の人が来たとき、「双葉郡のスズメやカラスはどうしているだろう。人間の暮らしに依存しているところもあるから、住民が避難したあと、南と北へ移動したのではないか。それで増えたのではないか」というと、カラス対策のプロである電力マンは「初耳です」。もちろん、これは私の憶測にすぎない。
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