家にいると、時折、100メートルほど先の国道6号から「ピーポー、ピーポー」が聞こえてくる。街なかの平消防署から出動した救急車が四倉方面へ向かっていく。事故? 急病? むろん、わからない。
同じようにわが家の前の旧国道を救急車が通り過ぎていく。「ピーポー、ピーポー、ピッ」。だんだん音が大きくなってきたなと思うと、急に止まるときがある。ん? 反射的に家を飛び出す。
師走に入って立て続けに3度、近所に救急車が止まった。お年寄りの体調が急変したのだった。
いちいち記録を取っているわけではないから記憶だけでいうのだが、救急車の来る回数が多い地域に住んでいる。それでも、1週間に3度というのは初めてだ。
最初の救急車は道路向かいの駐車場に入った=写真。やがて静かに現場を離れた。代わって、警察車両が駐車場のそばの家にやって来た。おばあさんが亡くなっていたのだという。次は、翌日。再びその家に救急車がやって来た。今度はおじいさんが具合を悪くしたらしい。それから5日後、わが家の隣のアパートのおばあさんが救急車で運ばれた。
いつの間にか、われわれ夫婦を含めてみんなシルバーになった。近所で子どものいる家は、震災後、アパートに入居した1世帯を除くと1軒だけだ。
近親者も救急車の世話になった。近所に住むオジは脳梗塞を発症して倒れ、救急車で病院に運ばれた。カミサンも昔、店の雨戸を閉めようとして転び、頭から血を流して運ばれた。先日も同じように転んで肩をねんざした。救急車の世話にはならなかったが、あとで整形外科医院へ連れて行った。
師走は師僧、つまり坊さんが仏事で忙しく走り回ることからきている、と俗にいわれる。その仏事が葬式のことであれば、なんとなくわかる。お年寄りは寒い季節に亡くなる率が高い。で、救急車も忙しく走り回る、ということになる。明日はわが身。
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