埼玉県に住む知人から、日刊ゲンダイの「週末特報」のコピーが送られてきた=写真。12月22日付だ。月曜日なのに「週末特報」? そこはよくわからないが、安倍政権が進める原発再稼働にからめて、いわき市民と原発避難者のアツレキを見開き2ページで特集している。
記事は7本。「避難者出ていけ」の落書き、被災者差別をいわき市民が経験した話、地価バブル、病院での格差は「何を今さら」だろう。取材に応じた人間は全員匿名。それがゲンダイ的手法らしい。「~とか」「~と聞いている」という話も多い。避難者自身の声はどこにもない。
それでも、大都市圏に住む人間には“原発震災”後のいわきを伝える数少ない報道の一つになったか。
最下段の記事3つの見出し。「バーベキューにもおっかなびっくりの避難者/生活環境の変化でたまるストレス」「関連業者が悲鳴
小名浜港の再開が危ない」「根も葉もないウワサが深めるわだかまり/パスポートを申請するのは避難者ばかり?」
避難者の内面にも思いを致していること、漁業者だけでなくその関連業者にも言及していることに視野の広がりを感じた。応急仮設住宅もそうだが、借り上げ住宅に入居した避難者は知らない地域の中で孤立している、魚屋さんも苦しんでいる、といったところまで取材が深まっていればもっとよかった。
ただ、「パスポートを申請するのは避難者ばかり?」というのは、「?」をつけて逃げてはいても「?」がつく。33万市民に対して2万4000人だ。「パスポートの発行窓口に勤める知人から、いわき市内でパスポートを申請しているのは大半が避難者だと聞いた」という話を聞いたなら、県に確かめるくらいのことはすべきだろう。いわき市民の私も、先日、パスポートを更新した。
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