2015年6月9日火曜日

老・壮・青がそろった?

 いわき市が事務局になる「いわき創生戦略会議」の初会合が先週の金曜日(6月5日)、いわき駅前のラトブ6階、いわき産業創造館で開かれた。連絡がきて参加した。
 市長を本部長とする庁内の「いわき創生推進本部」が先に発足した。創生戦略会議はその市民版(庁外組織)だ。両組織が車の両輪になって、目指すべきいわきの創生総合戦略を練る。
 
 根拠となる法律は「まち・ひと・しごと創生法」で、その目的は①少子高齢化の進展に対応し、人口減少に歯止めをかけ……②東京圏への人口の過度な集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して……③将来にわたって活力ある日本社会を維持していくため……――、“まち・ひと・しごと創生”に関する施策を総合的・計画的に実施する、というものだ。(市の資料から)
 
 法律は、人口減少対策に東京一極集中問題をからめた印象が強い。新幹線であれ高速道であれ、整備すればするほど東京に人口が集中する。その結果、東京でも高齢化が進んで老人福祉が大変になりつつある。東京だけでは老人の介護ができないので、老人を地方に分散しよう――先日の新聞報道に接して、FB友のコメント「姥(うば)捨てか」に同意した。
 
 いわき版・創生戦略会議では、東京や他自治体との比較などはせずに、いわきなりの目指すべき姿・方向性を、まちづくり・ひとづくり・しごとづくりの3つの作業部会を設けて議論する。私はまちづくり部会に振り分けられた。
 
 第1回会合に出席した顔ぶれをみて、こちらが年をとったことを実感した。私と、同年齢の商工会議所地域振興委員長のT氏が、もしかしたら最年長ではないか。<あいうえお順>で隣に座った同姓のザ・ピープル理事長も、私らよりは若いが、出席者のなかでは年配の方だ。
 
 隣同士で「年寄りになったんだな」などと話していた直後、市長があいさつした。「老・壮・青がそろい、つながり……」というくだりで、思わず吹きだした。
 
 20世紀の終わりに、市の総合計画づくりに関係した。審議会とは別に、いわき未来づくりセンターの委嘱による「いわき21世紀ビジョン市民会議」(市民20人前後)で議論し、庁内若手によるワーキンググループとの協働で基礎調査をした。その時のメンバーが何人か、創生戦略会議に入っている。30~40代だった人間も、20年近くたてば年をとる。当たり前のことだ。
 
 庁内のワーキンググループに加わった職員も、部課長クラスになった。創生戦略会議の中核を担っている。スケジュールはあってもシナリオはない。自由な議論ができる。それが楽しみといえば楽しみだ。

 いわきは、かつては日本一の広域都市だった。広いいわきを身近に感じる視点として、私は3つの流域とハマ・マチ・ヤマを組み合わせたマルチ画面を脳内スクリーンに映し出す。市文化センター1階、科学展示室に3Dの「いわきのパノラマ」がある=写真。鳥の目でいわきをイメージできる。3・11後は、事故を起こした原発のある北隣の双葉郡も視野に入れないといけなくなった。

 さて――。「老」には「老」の役割がある。「壮・青」のアイデアなり、意見なりを具現化するためには、地に足の着いた議論が必要になる。いわきの現状や課題を「見える化」できれば、より深い議論ができるだろう。理想論と現実論をうまくかみ合わせるのが「老」の務め、自称「19歳の老少年」である私の役目はそのへんにあると思い定めている。

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