2015年6月3日水曜日

ダンプが多くなった

 海岸地帯で、山並みに囲まれた田園地帯で、よくダンプカーに出くわす。日曜日はむろん、工事現場が休みになるから、ダンプカーは動かない。平日にカミサンの用事が増え、車を動かすことが多くなってわかったことだ。
 5月25日、月曜日午後1時前。いわき市小川町下小川地内の交差点で、四倉方面からやってきたダンプカーに出合った。荷台の壁に「広野火力発電所貯炭施設増設工事……」とあった。双葉郡広野町といわき市小川町をつなぐのは、海岸に近い国道6号か、山に近い常磐道、あるいは山麓線(県道いわき浪江線)か。

 ネットで検索すると、これかな、と思うものがあった。昨年(2014年)5月、東電は広野火発に世界最新鋭の大型石炭ガス化複合発電設備を建設する計画を発表した。「福島復興」と銘打っているところが憎い。着工は2016年。プラントの建設に先立って石炭の貯蔵施設を増設する、ということで、その工事に必要な石だか土砂だかを小川の山から運んでいるのだろうか。
 
 5月30日、土曜日午後1時すぎ。いわき市平豊間の海岸道路を行くと、ダンプカーの列に遭遇した。中田横穴近くの交差点を、薄磯へと右折する=写真。豊間と薄磯では、津波被害に遭った住民のために「高台移転」の工事が進んでいる。海岸では「防災緑地」の造成が行われている。高台の「切り土」を緑地の「盛り土」にするために、ダンプカーが往復しているのだろう。
 
 福島県の東側半分では――。全面除染の対象になった宅地や農地は、表土がはぎとられ、そのあとに山砂が投入される。その山砂が不足しているそうだ。山を削って出た残土を目の前の海岸に運んでかさ上げに使うのは合理的だ。
 
 大型ダンプカーが増えれば、こんな事故も起きる。若い仲間のすむ農村部の生活道路を、交通量の多い山麓線の抜け道に利用するダンプカーが増えた。4月中旬には、そのうちの1台がカーブを曲がりきれずに田んぼに突っ込んだ。
 
 双葉、大熊町に中間貯蔵施設のための保管場がある。周辺市町村から汚染土の入ったフレコンバッグが試験的に搬入されている。こちらは大型トラックだ。
 
 きのう、6月2日。浜通りを名取からいわきへ戻ってきた人が、相馬あたりでも「ダンプカーが多かった」とカミサンにもらしていた。浜通りの道路は北も南も「ダンプ街道」になっている。

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